構造物理化学 I (20150420)
M: 以下は宮本のコメント
- 14s3001:
- アインシュタインはエネルギー保存の議論を使って KE,
,
が関係することを導きましたが, 運動エネルギー以外ではどのようなエネルギーがあげられますか? M: そんな議論は始めて聞きました. 何かの間違いでは(?) // 質問の意図が不明だが, 運動エネルギーの他にどんなエネルギーがあるかは, 物理の基礎を復習すればいいのでは(?)
- 14s3002:
- コンプトン効果では入射 X 線よりも散乱される波長に長いものが含まれており
で表しましたが,
となり波長が短くなることはないのでしょうか. それとも散乱される X 線の角度には限りがあるのでしょうか? M: 真面目に考えたのでしょうか? 一体全体どんな角度
で,
が負になるというのでしょう?? またもしも負になるとすれば, エネルギー保存則との整合性はどうなるか??
- 14s3003:
- しきい振動数以下の振動数の場合, 紫外線によるエネルギーは何に変えられたのですか? 消失した場合, エネルギー保存則が成り立たなくなってしまいます. M: 当然です. したがって消失したとは考えないのが普通です. 反射するか, 吸収されて熱エネルギーになったと予想されます.
- 14s3005:
- p.11 の図 1.4 にあるようなグラフが実験データをプロットして得られたのだとすれば, 教科書のように正確な直線にはならなかったた思います. 当然, ここから計算される傾きの値にも誤差が含まれていたと考えられますが, この傾きとプランク定数が同じ値だと判断されたのはなぜでしょうか. ある程度の希望的観測が含まれていたのでしょうか. それとも電子の運動エネルギーは, 非常に高い精度で測定できたのでしょうか. プランク定数は, とても小さい値なので, 不思議です. M: 実験なので誤差を含むことは当たり前です. 誤差範囲内で一致したということでしょう. // accuracy と precision を混同していると思われます.
- 14s3006*:
- 光電効果は電磁波による金属表面からの電子の放出とありますが, ケイ素のような半導体物質でも起こりうるのでしょうか. M: 絶縁体である水に紫外線を当てたときの電子の出てくるエネルギーについて, 一回目の講義のときに教科書の後ろの章の図を示して紹介しました.
- 14s3007:
- 輝線スペクトルを求める際に,
は整数であるとしましたが, 整数以外の部分には輝線スペクトルは存在しないのですか? 存在する場合, なぜ整数以外の部分は求めないのですか? M: 事実関係, 論理関係を誤解している予感. ``実験結果に合う式を考案していたら, バルマーの式 (またはリュードベリの式) でうまくいった. 整数を用いて定式化できた.'' ということです. ``実験結果から輝線を都合よく選ぶと, 整数で表せるものがあった.'' ではありません. 国語力の問題か??
- 14s3008:
- ボーアはトムソンのモデルの方がいろんな現象を説明できるのになぜ仮定を導入してまでラザフォードのモデルを採用したのでしょうか? M: 本人に聞けばいいのでは
:-p
または読書感想文(仮称)のネタ発見(?) // もちろんトムソンのモデルではラザフォードのα線散乱実験の結果を説明できませんし, 正電荷の分布の実態が何なのかも不明ですし, 原子の発光についての定量的な説明もできません. どちら一長一短です.
- 14s3009:
- 今回の講義の範囲外ですが, プランクの分布則を振動数で表したものから波長で表現する式に変形する際に, 計算した結果が教科書の
倍になりました. 輻射エネルギーの密度が負になるのはおかしいということは分かりますが, なぜこのようにずれるかが分かりません. M: そうですか, でも提出物が要件を満足していません. // 慎重さの不足でしょう. 計算のどの段階で負号が出てきたのか? その意味をよく考えてみましょう.
- 14s3010:
- 量子仮説によると高い振動数を持つ光ほどエネルギーが高い. ということは, 高振動の光を当てなければ電子が放出しない金属は電子を放出しやすい金属よりもエネルギー準位的に安定と言えるのだろうか. M: ``エネルギー準位的に安定'' とは, どういう意味か? 何のエネルギー準位の話か??
- 14s3011:
- 光電効果によって電子が放出された時, 電子はどこへ行くのでしょうか? また, その時金属の表面はイオン化されているのですか? M: 講義で紹介した実験装置の一例では閉回路になっています. この他にも実験装置の組み方はあるでしょう. 調べてみればいいのでは(?)
- 14s3012:
- ボーア模型の輝線スペクトルやリュードベリの式とのつながりがよくわかりませんでした. 教科書の先を予習すればわかりますか? // 軌道間を遷移する時にしか電磁波を吸収・放出しないのはどうしてですか? M: 化学の基礎II(G) や構造物理化学I のシラバスで, 予習・復習の方法や目的を示しています. // 仮定には理由が無くてもよい. ``軌道にいるときは安定'' は, エネルギー的に変化しないの意味. 物理的な言葉の使い方に慣れる必要がある?!
- 14s3013:
- 式(1.1) にある
B をボルツマン定数といい, 単位は JK
粒子
とあるが, 教科書には 粒子
は表記されないと書いています. それはなぜですか. M: 何について, どういうときに使われる単位なのでしょうか? // 欧米には ``個'' という助数詞はありません.
- 14s3014+:
- 現代の科学者は既存の考え方とそれとはまったく異なる考え方のどちらを重要視すべきでしょうか? もしくはその両立が科学者には必須なのでしょうか? M: 個別の事象を離れた一般論には意味が無い. ``実験事実に一致するか'' が最終判断基準. // もしも既存の考えが十分に成功しているのであれば, 異なる考え方を採用すべき理由は考えにくい. 既存の考えで説明できない現象があれば, 既存の考えを修正する必要があるだろう. ただし, 全く新しい考えにより新現象の説明が可能であっても, すぐに既存の科学に取って代わる訳ではない. 科学哲学方面を勉強してはいかがか.
- 14s3015:
- 光量子仮説ででてきた仕事関数を求める方法はあるのですか. M: 数式とグラフをよく見て考えればいいのでは(?)
- 14s3016+:
- しきい振動数とは, 金属の種類によって異なるものですか? M: 14s3006, 14s3015 も参照. しきい振動数, 仕事関数の物理的意味は何でしょうか? 金属が原子からできていることを元にして考えてみてはいかがか.
- 14s3017:
- 光電効果により放出される電子は 1 電子のみなのでしょうか. M: 光電効果の式で, それについては何を述べているでしょうか? // 実験事実では, どんな実験をしてどんな結果だったでしょうか?
- 14s3018:
- 水素原子のボーア模型の仮定 (4) において, 電子が電磁波を放出するのは理解できたのですが, どうして吸収するのか理解できないです. 電子が電磁波を吸収したら電子の加速度が増すのですか? M: 物理用語とその概念を正しく理解してください. // 電子が電磁波を放出すれば電子の持つエネルギーは減少し, 電磁波を吸収すればエネルギーが増加するというのは, エネルギー保存則から明らかです. 14s3012の後半も参照
- 14s3019:
- スペクトルがよくわかりません. 教科書に載っていたスペクトルは全部水素特有のものであって, 各系列は水素スペクトルの領域毎に使い分けられているのですか. M: ``スペクトルの領域'' という言葉が何を表すのかあいまい. 教科書の図ではそう見えるかもしれませんが, 厳密には違います. どういう状態の水素原子が発する輝線スペクトルなのか, 始めの状態が異なるものです.
- 14s3020*:
- 「光の強さ」とは, 何によって決まるのですか? M: 教科書および講義では, あいまいなままでした. ``エネルギー密度,
(単位, J m
)'' という言葉は正確だが, 慣れないと分かりにくい (単位体積中のその微小波長領域の電磁波のエネルギー).
との関係は…(?)
- 14s3021:
- コンプトン効果によると「散乱される X 線の中に入射 X 線よりも波長の長いものが含まれている」とありますが, なぜこのことから X 線が粒子性をもつこと, つまり光子と振る舞うことがわかるのですか? M: なぜ講義のその場で質問しなかったのか? // 古典的な波と考えた場合に, 入射 X 線から波長が変化する理由がない. 光子と電子のビリヤードと考えて波長のずれが上手く説明できる (力学の初歩). 自分で手を動かして考えてみればいいのでは(?)
- 14s3022:
- 光電効果の部分の説明でできた光の強度とは光のもつエネルギーの大きさのことで合っていますか? M: いいえ, 違います.
- 14s3023:
- 光電効果の説明がわかりやすくて面白かったです! コンプトン効果の
の関係は, なぜ
の様になるのでしょうか. e
が関係しているのでしょうか. M: 光子と電子のビリヤードなので, e
が関係しているのはあたりまえ. 14s3021 も参照. もしかして
とか, エネルギー保存則とかが分かっていないのか?
- 14s3024:
- なぜしきい振動数をこえる振動数でなければだめなのですか. エネルギーが小さいものを時間をかけて大きなエネルギー状態を作り出せば電子は放出されるのではないでしょうか. また光電効果が起こらなかったときに与えられたエネルギーはどうなってしまうのですか. M: そう考えるのはあなたの勝手だが, 現実はそうなっていない. 古典的な波の描像では理解できない現象である. // 14s3003 参照
- 14s3025:
- 金属の表面に紫外線などの光を照射すると電子が放出されることがわかりました. // 古典的な考えからは, 光の強度が十分強いと, 光電効果はどんな振動数でも分かるはずですが, しきい振動数が存在してあるという事がわかりました. しきい振動数とはどのような意味を持っているのですか? M: 14s3016 参照
- 14s3026:
- リッツの結合法則は実験によって求められたのですか. M: そうです.
- 14s3027:
- 光電効果について, 教科書では紫外線についてのみか書かれているのですが, 金属に当てる光は紫外線でなければならないのでしょうか. M: 紫外線とその前後の光との間に, 境界線はありますか? 境界線をわずかでも越えれば, 効果はなくなるのでしょうか? 人為的な名称に物理的な意味があるのか? 14s3006 参照
- 14s3028:
- コンプトン効果に関して, X 線の照射前後で減少したエネルギーはどこに吸収されたのですか? 全て運動エネルギーに変換されるのですか? M: 14s3021 参照
- 14s3029:
- 光電効果やコンプトン効果によって放出される電子は長時間光を照射しても一定量の電子が放出され続けるのでしょうか. M: 14s3011 参照
- 14s3030:
- 絶縁体で囲まれた金属に照射光強度の強い,
をはるかに超える振動数の光を長時間当てると, 金属全体が正になりますか. それとも金属は電子を多く含む物体であるため, 数時間くらいでは金属全体が正になることはなく, 光を無限時間当てないと正になることはないのでしょうか. M: 14s3011 参照 // 電子が多くあるモノと少ないモノとで, 一電子あたりの電荷が異なるとでもいうのでしょうか??
- 14s3031:
- 電子がエネルギーを吸収・発散する理由として複数の軌道を行き来することがあるとおそわったがなぜ軌道の変化でエネルギーは出入りするのか. M: 物理学の基礎を復習する必要がある(?) 14s3018 参照
- 14s3032:
- 輻射強度や照射光強度と強度ということばが使われますが, エネルギーととらえて良いのでしょうか. // 光電効果では金属表面に特有なしきい振動数以下の振度数[原文ママ]の光だと電子は放出されませんが, コンプトン効果でも電子が放出されない場合はあるのでしょうか. M: いいえ. いちがいにそうとも言えません. 14s3020 参照 // 光子と電子のビリヤードの力学を考えれば, 必ずしも物質から飛び出すに足るエネルギーを電子が獲得するとは言えないことがわかるはずです. 14s3021 も参照
- 14s3033*:
- ボーア模型の仮定で, 電子が遷移するときに電磁波を放出, 吸収するとありますが, どのような過程で放出, 吸収されるのですか. M: ボーア模型では, そのことについて何も言っていませんし, そのことについて何も明らかにしていません. 読書感想文(仮称)のネタ発見?!
- 14s3034*:
- コンプトン効果で散乱される X 線の中で入射 X 線と同じ波長の X 線もあるという意味の書き方をしていますが, なぜ, 波長が変わらずに散乱されているのですか. M: 結晶面での反射 (回折) でも, 散乱波長は変わらないことを想定していますね. 物質と電磁波との相互作用についての詳しい書籍などを参照してください. レイリー散乱と言ってみるテスト.
- 14s3035:
- 教科書では光電効果を単体の金属で行っていますが, 合金のようなものでも光電効果は起こるのでしょうか? その場合金属の仕事関数
は何に依存するのでしょうか (孤立原子ではイオン化エネルギーに相当とありますが)? M: 14s3016 参照
- 14s3036:
- ヘルツが紫外線を照射すると, 金属表面から電子が放出される現象を発見した時, 先生が書いたような回路で実験をしていたのでしょうか. // 電子が負の電荷をもっているというのは, いつ頃, どのようにしてわかったのでしょうか. // ボーアが古典物理学を反してでも仮定を増やしたのはなぜですか. M: それぞれ, 本人に聞けばいいのでは
:-p
または, 読書感想文(仮称)のネタ発見?!
- 14s3037:
- ボーアは水素原子の模型を考えるときになぜ当時では説明できないような仮定を導入することに踏み切ることができたのか. M: 14s3008, 14s3036 参照
- 14s3038:
- しきい振動数以下の振動数で電子が放出されず, 光電効果が起きない場合, 金属表面に向かっていった光子はどうなるのですか? M: 14s3003 参照
- 14s3039:
- 輻射強度は電磁輻射の振幅の 2 乗に比例するということは, 古典物理学の中で, どのように導かれたのですか. M: 普通に波動現象についての力学を復習すればいいのでは(?)
- 14s3040:
- ボーアの水素原子の模型は, 仮定が多くて, 物理学的によくないとのことだったのですが, このボーア理論に反対した人や他の理論を唱える人はいなかったのでしょうか? また, なぜトムソンのモデルではなくラザフォードのモデルで考えようとしたのでしょうか? M: 14s3008 参照
- 14s3041:
- リッツの結合則はどのようにして求められたのですか. M: 本人に聞けばいいのでは
:-p
14s3026 参照
- 14s3042:
- リュードベリの式において, 整数を利用して自然を説明できることが本当にすごいことだと思いました. 同時に なぜ 整数を用いた式にできるのかが疑問でした. また, ボーアがトムソンのモデルではなく, ラザフォードのモデルと利用したことも疑問ですし, 現在トムソンのモデルであると言う人が少ないのも疑問でした. M: そうですか, ところで質問は何でしょうか? // 14s3007, および 14s3012 の前半参照 // 14s3018 参照
- 14s3043:
- アインシュタインはなぜ仮定されたプランク定数を使って光電効果を証明したのですか? M: 事実誤認とか, 言葉遣いが変とか…
- 14s3044:
- コンプトン効果で, 「物質に入射された X 線よりも散乱される X 線の中には波長の長いものが含まれている」という記述をわざわざしていたのは何故でしょうか? 宮本T が説明したようにエネルギーや運動量の面から考えても波長の長いものが含まれていると追加記述する理由が分かりません. 何かの特別な事象で[原文ママ]あるのでしょうか? M: 散乱されると波長が変化することが必然である理由は何でしょうか? 古典的電磁気学で, どう説明されるのでしょうか?
- 14s3045:
- 光電効果を通して, 現代の物理学と古典物理学の矛盾点を説明していましたが, 古典物理学は現代では間違った理論となってしまっているのですか? M: 物理学の基礎の復習が必要と思われます.
- 14s3046:
- 原子模型を考える際, 電磁波の吸収や放出も考慮していましたが, この場合の電磁波とは具体的に何なのでしょうか. M: 電磁波といえば, いつでもどこでも普通に電磁波ですけど. 物理学の基礎の復習が必要なのでしょうか.
- 13s3006*:
- 光電効果では光を照射すると, 電子が放出されますが, 電子が押し込まれることはないのでしょうか. その場合, 電子の運動エネルギーは負になってしまうのでしょうか. それだと電子の質量が負になって矛盾しますが. M: 矛盾が生じるということは, 前提に誤りがあるということですね. // 光電効果の逆のように, 光を当てて初めて電子が金属 (に限らず物質) に入ることが, 具体的にどういう現象と考えればいいのかすぐには想像できませんが…… 光誘起電子移動反応として, 光照射によって生じた空孔 (ホール) に電子が外から入ることは考えられるが, それは光のエネルギーが電子に吸収されてホールができたということであって, 外から入る電子が光エネルギーを吸収したということではない, か.
- 13s3012:
- コンプトン効果について 散乱 X 線の中に入射 X 線よりも波長の短いものは含まれていないんですよね? M: 14s3002 参照
- 13s3025:
- 中性子星 (巨大な中性子の塊とする) に可視光を照射したとき, どう見えるのだろうか. M: どう見えるんでしょうね. 天文屋さんに聞けばいいのでは?
- 12s3014:
- リュードベリの式は水素原子のスペクトルの全ての輝線に対応しているが, 他の 4 系列 (ライマンなど) よりも正確なのか. M: 意味不明. 全てについて対応していると知りながら他の系列について疑問を持つとは? 対応しているのを知りながら正確さを問うとは??
- 12s3024:
- 半導体でも光電効果はおこりますか? M: 14s3006 参照
- 12s3029:
- 電子は特有なしきい振動数をもっていますが, それ以下の時, ほかのどんな条件を変えても, 電子は放出されないのでしょうか. M: 別な形で電子にエネルギーを与えれば放出されるだろうが, それはまた別の現象
:-p
- 12s3045:
- コンプトン効果で X 線が散乱する際, 角度等に限界はないのでしょうか. M: なぜ限界が生じるのか? 14s3002 参照
rmiya, 2015-07-29