プログレス物理化学 II (20141205)
M: 以下は宮本のコメント
- 12s3033:
- クロロホルムのとき対称要素が 6 個, ナフタレンのとき対称要素が 8 個って言っていましたが, 対称要素の個数を確かめる方法はあるのか. M: まあ, 指標表を見るのが手っ取り早いですね. そこで対称要素の数を数える. また, 規約表現の次数の二乗和が群の位数に等しい, という性質もある.
- 12s3035*:
- 基底の選び方にルールはないのでしょうか. M: 今回は, 何らかの表現行列を得ることが目的だったので, 何でもよかった. 互いに異値である基本的な表現が得られてしまえば (実は指標表に記されている規約表現だ), 原理的に全ての表現はそこから導出できる (直和・直積・相似変換) ので, もう今回と同じ目的で基底を選ぶ必要はない. // 別な応用で基底が必要になることもあるが, この場合は目的に応じた基底 (例えば直線偏光の電場の振動する方向とか, 目的によって自明) を使うことになる.
- 12s3036*:
- 異値表現は それこそ無限に考えられるのか? M: いいえ. 指標表を見るのが手っ取り早いが, そこに与えられている規約表現の数が それだ.
- 12s3040:
- 「C
のオーダーが 6 だから〜」と言っていたが, なにか法則などはあるのか. 群論がわかると, どの様な事にいかされてくるのか. M: 12s3033 参照 // 応用編も講義でやりますので, お楽しみに〜〜
- 12s3045:
- 群論の応用について, 完全な行列が必要になることはなく, その対角要素の和だけでよいのはなぜですか. M: 今回そこまで進めなかったが, 可約表現を規約表現に簡約するところが重要. これは表現行列で言えば, 相似変換でブロック対角の形にすることに相当する. しかしこれは, ブロック対角の形を保ったまま, いくらでも相似変換で同値な表現行列を得ることができる. しかし相似変換でも, 対角和は保存されるのだ.
- 12s3047:
- 行列を解として導き出す方程式というのはないのでしょうか? M: あるのかもしれませんが, 私にはすぐに思いつくものはありません. 調べてわかったら, 教えてくださいネ. ちなみに, 何の話を想定した質問でしょうか?
- 11s3013+:
- 異値な表現の行列も同じ群の表現になっている. ということは, 積表が同じであるという認識で問題ありませんか. M: 同じ群の表現になっているかどうか, どうやって確かめるかという問題ですね. 例えば位数が同じ二つの群があったとして, これが別の群であるためには, 何が違っていればよいか. もちろん同じ群であれば, 例えば表現行列は全く同じにすることができるわけです. // 抽象群というものを導入すれば, 例えば位数が (1), 2, 3 の場合には, それぞれ群は一つしかないことがわかります. それに対して, 位数が 4 の群の場合には 2 種類だけ存在します.
rmiya, 2014-12-18