化学の基礎II(G) (20141020) M: 以下は宮本のコメント
14s3001: 
箱の中の電子運動について, 箱の外ではポテンシャルエネルギーは無限になるとありましたが, なぜ粒子が存在しないのにエネルギーが存在するのですか? M: もしも粒子が存在したならば, 無限大のポテンシャルエネルギーを持つ $ \rightarrow$ ありえない, そのような粒子は存在しない

14s3002: 
自分が物理を習ってきていなく, 知識がないからわからないだけかもしれませんが, 化学の基礎 II(E) の講義や物理化学の教科書には, シュレディンガー方程式 (一次元) の運動エネルギーは $ \displaystyle \left(- \frac{h^2}{8 \pi^2 m}\right)\left(\frac{\text{d}^2}{\text{d}x^2}\right) \psi(x)$ と習っていますが, 今回の講義では $ \displaystyle \left(- \frac{\hbar^2}{2 m}\right)\left(\frac{\text{d}^2}{\text{d}x^2}\right) \psi(x)$ と習いました. どのように $ \displaystyle \left(- \frac{h^2}{8 \pi^2 m}\right)$ は変換されたのでしょうか. M: どうして講義時間中に質問しなかったのか? // 講義終了直後に前の方に座っていた人の質問に $ \displaystyle \hbar = \frac{h}{2 \pi}$ と答えた.

14s3003: 
$ \displaystyle \left\vert \psi(x) \right\vert^2$   d$ x = \psi^*(x) \psi(x)$   d$ x$ の部分で, どうして複素共役が出てくるのですか? M: 複素数 $ z = a + ib$ の ``大きさ'' は...?

14s3004: 
今日の授業で高校までの勉強に不安を感じました. この場合, 高校の復習をすべきですか? それとも大学の勉強をすべきですか? M: 私はあなたの事情を知らないので, 自分で考えて下さい.

14s3005+: 
講義中では, 条件を満たす関数を「発見」して, 微分方程式を解きましたが, 微分方程式を解くには「発見的な方法」を使わなければならないのでしょうか. 微分方程式を解くためのアルゴリズムは存在しますか. また, 積分で解く場合は, 積分定数をどうやって処理しますか. M: 微分方程式の形により, 解き方のパターンはある. 数学の本を見てはいかがか.

14s3006*: 
シュレディンガー方程式は, 古典力学の波の式にド・ブロイの式を導入して得られたものですが, なぜそこから古典力学の世界とはまったく異なる量子論の世界が生まれたのでしょうか? M: 不思議ですね. でもド・ブロイの式は古典力学の式ではない.

14s3007: 
電子親和力がイオン化エネルギーを上回る場合 電子親和力によって放出されるエネルギーを回収することはできるのでしょうか? M: とーとつに何の話か? 電池の話??

14s3008: 
$ \psi(x)$ はサイン関数なのに なんでそれの 2 乗に d$ x$ をかけたものが確率になるんですか? M: $ x$ 軸に沿った空間分布が波の形をしている確率分布を禁止する理由があるのか?

14s3009: 
ポテンシャルエネルギーが $ \infty$ とは どういった状態でしょうか. // 量子論の世界では, エネルギーは整数 $ n$ によって番号づけられた とびとびの値しか許されないと教科書にはありますが, 古典力学での世界では こういうことはありえないことなのでしょうか. M: 古典力学を勉強すればわかるのでは(?)

14s3010+: 
シュレーディンガー方程式は複数の電子をもっている原子や分子にも広く適用できるのは, ボーアの時と比べて三次元まで拡張することができたことが要因なのでしょうか. M: シュレーディンガー方程式も, 多粒子系では解釈が難しい.

14s3011: 
前回の質問の続きです. 先生は光のつぶ, を否定して波でもあり粒子でもある未知の存在の可能性について話されていましたが, ニュートリノのようにある程度の通過性を持ったものが振動することで波でも粒子でもあるもの, になることは可能でしょうか. 音は空気などの振動ですし, 光もまた光のもととなるものの振動と捉えることはおかしいでしょうか? それともそもそも光のもと, という考えは誤りなのでしょうか. M: だから ``光のつぶ'' を否定している. 相対論により, 光速度が運動速度の上限であり, その速度を達成するためには粒子の質量がゼロでなければならないことがわかる. ニュートリノは微小ながら質量を持つ. また音は媒体の振動だが, 振動している光のつぶという考えは, 媒体の振動とは異なるように思われる. そして光のつぶが進行方向に垂直に振動するとして, その復元力 (垂直方向に作用する力) は何だろうか? // しかし ``前回の続き'' とは, 随分と効率の悪い疑問解決の手段だ.

14s3012: 
箱の中の粒子の問題の領域は 実際どのような単位の範囲になるのでしょうか? M: ``単位の範囲'' とは? 意味不明

14s3013: 
教科書を読んで思ったのですが, 縮退というのは, 水素原子にのみ考えるものなのですか? 多原子分子については適用されないのですか. M: 理解不十分のようですネ. 例えば ``異なるものが同じエネルギーを持つ'' というのが縮退. 水素原子に限らない.

14s3014: 
今回の講義では数学の計算を数多く用いたが, 数学では説明できない化学の事象は存在するのか? M: そりゃあるでしょうネ. 数学が万能だとは思っていません.

14s3015: 
シュレディンガー方程式は公理であるとありましたが, どうして見つけることができたのでしょうか. M: シュレーディンガーさんに聞けばいいのでは(?) または, 読書感想文(仮) のネタ発見?! 粒子が波動性を持つならば, 何らかの波動方程式に従うだろうと考えるのは自然では(?)

14s3016: 
シュレディンガー方程式のように確率的に電子の存在する位置を求めるのではなく, 別な形で電子の位置や状態を求めようとする考え方はあるのでしょうか. M: 私は知りません. 逆に, 今すでにあるシュレーディンガー方程式では何故ダメなのか?

14s3017: 
波動関数を考える上で, 箱の大きさ (a) を限りなく 0 に近づけ, 粒子の大きさとほぼ等しくなったと考えた時でも 箱の壁の部分での粒子の存在確率は 0 なのでしょうか. M: 物理に馴染んでいない様子がうかがえる. この箱の中の粒子の問題では, 粒子は大きさがゼロの質点と考えている. もちろん現実の粒子は有限の大きさを持つものもあるが, また現実のポテンシャルは無限大になることはないだろう.

14s3018: 
波動方程式は電子が軌道上を定常波で動くということですよね? 時間に依存する場合は定常波じゃなくなる場合もあると思うのですが, 時間に依存すると電子はどんな運動をするのですか? M: 時間に依存するシュレーディンガー方程式は $ \displaystyle i \hbar \frac{\partial}{\partial t} \psi(x,t) = \left(-\frac{\hbar^2}{2 m}\frac{\partial^2}{\partial x^2} + V \right) \psi(x,t)$

14s3019: 
シュレーディンガー方程式もド・ブロイの式と同じようにどんな波長でも適用できるのか. それとも原子や分子のような小さな波長でなくてはならないのか. M: どこに制限があるのか?

14s3020: 
シュレーディンガー方程式は根拠のない式である とされましたが, どうやって発見されたのですか? M: 14s3015 参照

14s3021: 
シュレーディンガー方程式では, 電子が存在する確率を見いだしましたが, 他の粒子でもできるのでしょうか? M: 今回の講義で取り上げたのは ``箱の中の粒子の問題'' であり, そもそも電子に限定していない.

14s3022: 
シュレーディンガー方程式は教科書と同じ手順で生み出されたものですか? M: 14s3015 参照

14s3023: 
教科書を予習していて, わからない所があったのですが (箱の中の粒子の所), 授業がわかりやすく, 理解できました! また, p.24 で いきなり微分をしているのがなぜかよくわかりません. $ \displaystyle \hat{H} \psi = E \psi$ が理解できればよいのでしょうか. M: 褒められちゃった f(*^_^*) // 公理的仮説であるシュレーディンガー方程式を, もっともらしいと感じてもらうために, 波動を表す式 (2.2) から (2.7) につなげて見せているのだろう.

14s3024*: 
波動方程式を使用して, 粒子の存在確率を知ることは化学の分野においてどのような意味をもつのでしょうか? M: 物理量 (の平均値) の求め方については, このあとで説明する.

14s3025: 
シュレーディンガー方程式の $ \displaystyle \hat{H} \psi = E \psi$ は仮説となっているが, 現在はその仮説があっているか証明されているのか? M: 他の定理から証明できる種類のものではない (だから公理と言える) と説明したのだが, 理解されていないようで残念. // そうか, ``根拠がない'' のニュアンスが共有されていないんだな. 正しい科学観が身についていないというのかも. // もちろん根拠は, ``現実世界の現象をうまく説明している・現実と矛盾がない'' です. 今のところ, シュレーディンガー方程式の結果はおおむね正しいので, 前提としている仮説を否定する理由がない.

14s3026: 
シュレディンガー方程式は公理だということでしたが シュレディンガー自身はどうやって導いたのですか? M: 14s3015 参照

14s3027: 
今回の授業では一次元の場合を取りあげていて, 参考書やインターネットでは一次元を三次元にしたものを多く取りあげていたのですが, 二次元の場合も似たような方法でシュレーディンガー方程式を利用できるのでしょうか? M: ``○次元については利用できる'' ということを他人から教わり, それを一所懸命に暗記しても無意味. 方法を理解して, 自分でやってみればいいのではないか(?) ``あれとこれとは無関係'' という風に知識を分断するのは得策とは思えない. なぜ大きな系について考えるときに, 小さな簡単な系の知識を生かすことを考えないのか?

14s3028: 
授業で, シュレディンガーの方程式の解説時, $ ($運動エネルギー$ ) + ($ポテンシャルエネルギー$ ) = ($全エネルギー$ )$ という説明がありましたが, シュレディンガーの方程式は, 力学的エネルギー保存則と関係があるのでしょうか? M: その保存則は, 全ての力学系で要請されているのではないのか? ミクロの系で既知の保存則を守らない理由があるのか?

14s3029: 
シュレディンガー方程式を仮説であると主張する層は, 何かしら他の公理等を研究していたりするのでしょうか? M: 私は知りません. 納得できなくてイチャモンをつけている層も一定数 (全部ではない) いると予想.

14s3030: 
教科書 p.23-p.24 に書いてあるシュレーディンガー方程式を求めていく過程を理解していく必要はあるのでしょうか. それとも分からなかったら分からないままでよいのでしょうか. (自分は分かりましたが) また式を理解していくことも勉強の 1 つとして考えても良いのですよね? M: いいえ. 式を理解する事こそが, 数物科学の勉強です.

14s3031: 
シュレーディンガー方程式を用いて電子の存在確率を求められるが, それらはポテンシャルエネルギーが 0 か $ \infty$ かの場合なので実際の電子に用いることはできないのではないでしょうか. M: 他のポテンシャルの場合について, 教科書や参考書にはいくつかの例が載っているが(?)

14s3032: 
演算子を 1 つの文字にする意味はあるのでしょうか. // 波動関数は $ \displaystyle \left\vert \psi(x) \right\vert^2$   d$ x$ $ x \sim x+$d$ x$ の間に粒子をみつける確率に比例するとありましたが, ここでの粒子には光は含まれるのでしょうか. M: 簡便性と一般性の向上 // シュレーディンガー方程式は, 相対論的効果を含んでいない.

14s3033: 
箱の中を二次元, 三次元と拡張させるとしたら, 新たにどのようなことを考える必要がありますか? // $ \psi(x)$ は連続した関数なのに, $ n$ の値がとびとびの値になるのはどうしてですか? M: 変数分離法. 14s3027 も参照 // 波動関数の変数 $ x$ 方向の連続性と固有値の不連続性は, 無関係.

14s3034: 
波動方程式は, ミクロでもマクロでも使えるんですか? M: ミクロの粒子についての使用例を講義では紹介した. マクロについては, 自分で考えてみてはいかがか.

14s3035: 
物理化学は数学による計算結果に物理的事実を加えて吟味することで成り立っているということですか? M: まだたった 2 時間分の講義しかやっていない. もっと勉強してみたらわかるのでは(?) 自主的な勉強は大いに推奨される.

14s3036: 
シュレーディンガー自身も $ \psi(x)$ がわかっていなかったとおっしゃっていましたが, なぜ $ \psi(x)$ が方程式の中に用いられたのでしょうか. // 箱の外に粒子がないとするのはなぜですか. M: 当人が考えていたことと, 現在の主流の解釈に落ち着くまでの経緯が異なっただけ. 14s3015 も参照 // 今, 考えていたのは, どんな問題だったか?

14s3037: 
シュレーディンガー方程式は公理であり, 理由はないとおっしゃっていたが, 一体どう考えてまたはどのような事実を元に定められたものなのか. M: 14s3015 参照

14s3038: 
物理的に考えたときに箱の中の粒子について, $ \psi(0)=0$, $ \psi(a)=0$ という境界条件になりますが, 数学的に考えた場合には, 値の変化, 式をたてるときの過程や場面というのは変わるのでしょうか. M: ``数学的に...'' 以降が言語明瞭意味不明瞭. 何を聞きたいのかサッパリ分からない.

14s3039: 
「一次元の箱」というようなものは実際には存在しません. 現実的に我々が住んでいるのは三次元だと思うのですが, 「三次元の箱」の中の粒子を見つける確立[原文ママ]を最終的には求めなければならないのではないでしょうか. 今日のことを応用して求めることができるのでしょうか. M: もちろん現実は三次元だが 二次元や一次元の系に近似できる場合があるとは考えないのか? 14s3027 参照

14s3040: 
化学の世界でシュレーディンガー方程式のように公理のない法則は他にあるのですか? M: 意味不明. 誤解の予感. // シュレーディンガー方程式は公理ですけど(?) また, 物理や数学の世界にも公理はあるが. 公理なしで, いったいどんな論理体系が構築できるというのか??

14s3041: 
講義の最初にミクロの世界で水分子の酸素と水素を結び付けているものは何かと私たちに問いかけていらっしゃいましたが, その答えは何ですか? M: 他人から教わった答えを暗記するというのは, 大学生の勉強法としてふさわしくない. 自分で勉強して答えを見つけてください. ヒントは講義でも話した.

14s3042: 
運動方程式で $ F = m a$ はミクロの世界では成り立たないが, シュレディンガー方程式はミクロの世界で成り立つということでしたが, では, シュレディンガー方程式は, ミクロ, マクロの世界両方で成り立つことなのですか? もし成り立つのなら, なぜ運動方程式は作られたのですか? M: 科学史を勉強すれば, これがいかに頓珍漢な質問かがわかるだろう. または読書感想文(仮)のネタか?! // 14s3034 参照

14s3043: 
ある関数の 2 乗が粒子の存在確率を表す. このような関数が波動関数の定義なんですか? M: いいえ. 波動関数の二条は粒子の存在確率を表すからといって, その逆が成り立つ保証はない. $ \psi$ は, シュレーディンガーの波動方程式 $ \displaystyle \hat{H} \psi = E \psi$ の解の関数だから波動関数と呼ぶ.

14s3044: 
元々, 物理的な事実から発見された方程式を数学的な手法で別式に改変されたとき, その式は必ず何かの物理的意味を持つのですか? M: 何の事を言っているのか, 見当がつかない. 数学的な手法を使っているので, 方程式の数理的な正しさは保存されるのだろうが, 改変 (どういうことだ?) されたことにより物理的な意味が広がったり狭まったりすれば, 現実には無意味なことも生じるかもしれない.

14s3045: 
境界条件 ($ \psi(0)=0$, $ \psi(a)=0$) と習いましたが, $ x=0$, $ x=a$ の境界部分において, $ \psi$ が 0 というのは定義 (決まり事) なのですか? 例外はないのですか? M: 波動関数の連続性 $ \displaystyle \lim_{x \rightarrow -0} \psi(x) = \lim_{x \rightarrow +0} \psi(x)$ という話を (数式は出さずに) したが, 伝わっていなくて残念.

14s3046: 
``箱'' とは何ですか. 空間のようなものですか. M: 粒子がある設定された空間から外に出ることができない様子を ``箱'' と表現している. 出るためには無限大のエネルギーが必要であるというのが, その数学的な表現.

13s3012: 
前回に引き続き文字についてです. 波動関数を表すのにギリシャ文字の $ \psi$$ \phi$ を用いていますが, 何故ギリシャ文字を用いているのでしょうか. ラテン文字では何か不都合があったのでしょうか? M: 使い始めた人に聞けばいいのでは? // 逆に今ここで, あえて慣習として使われている文字・記号を使わないことで, 他の専門家との意思疎通にメリットはあるのか?

13s3025: 
$ \sin$, $ \cos$, $ \displaystyle e^x$ 以外の 2 階微分で元の定数倍になる関数のなかで, $ \displaystyle E_n$ の式に自然数倍の条件が課されないものは存在するのだろうか. 存在したとして, その式は量子力学で利用できるのだろうか. M: 存在するかどうか, 自分で調べて確かめてみればいいのでは? // 量子力学系であっても, エネルギーが離散的にならず連続状態をとる場合もある. 詳しくは参考書など参照

13s3030: 
運動方程式やシュレーディンガー方程式は公理であって, 導くことができるものではないとのことでしたが, できないと証明されたのですか? M: 14s3025 参照

13s3033: 
$ F = m a$ のような根拠がないといわれている式は どのように発明されたのだろうか? (何かしらの根拠がないと公式として教科書に載らないと思ったのですが...) M: 14s3025 参照

13s3041+: 
演算子の求め方っていうのは存在しますか. M: 既知の基本的な演算子を組み合わせる.

11s3001: 
前回, 14s3015 の方の質問で金箔を使った理由が問われていましたが, 他の金属ではなく稀少な金を使った理由はなんでしょうか? M: 20141015 の 14s3015, 14s3019 参照

10s3042: 
境界面で関数が連続であると言うのは, 数学的な根拠のある設定なのでしょうか. 不連続な関数の場合は考えられないのですか. M: ``自然は連続であるという物理的な要請'' と説明したのに伝わっていなくて残念.



rmiya, 2014-11-27