構造物理化学演習 (20140714)
M: 以下は宮本のコメント
- 12s3001:
- 項記号について, 325 ページの図のようにベクトルを考えたときに量子数では数字としてだけであらわされているのに, ベクトルとしては角度が生じているのには電子の状態にかんけいがあるのか. M: さあ. L も S も J も角運動量なのでベクトル量ではある. ではどちらを向いているのか? そんなことは問題にならない. 合成して何が得られるかだけが問題なので, いわば相対的な方向が重要とはいえるかもしれない. しかし具体的な角度はまた問題にされず, 生成される合成角運動量が量子化されていることが重要. 結局, それぞれの角運動量の大きさ (絶対値の二乗) と, z 成分だけを問題とし, それらの関係がわかれば良い. というか, 不確定性原理により, 量子力学的に正確に知ることができるのは, 角運動量についてはそれだけ.
- 12s3002:
- ボルン・オッペンハイマー近似で核の運動を無視するのはなぜか. また, この近似が非常によい近似であるというのはどんな所か. M: 教科書 pp.351-352 の記述の何が分からないのか? // 他の参考書を何冊読んだか?
- 12s3003:
- np
という電子配置を作るには, なぜ, はじめに
と
の可能な値を決めなければならないのか. M: 別に. 他の方法できちんの項記号が求まるならば, それでもいいのでは(?)
- 12s3004*:
- フントの規則で副殻が半分より少なく占有されているか, 多く占有されているかで最安定の状態が最小の J, 最大の J と違うのは どうしてなのか? M: 教科書 p.328 あたりを参照. 副殻に
(半分より少ない) 電子が入っている場合と,
閉殻
は角運動量については全く同じ. ただし後者は電子の代わりに正孔が
個あるものと考える. 粒子の電荷が逆なので, スピン軌道結合定数の符号が逆. // p.327 記載のフントの規則の次ページのハミルトニアン (8.55) 式参照
- 12s3005:
- 化学結合はなぜ古典力学で理解できない事象なのですか. M: 自分で古典力学でどこまで行けるか, 考えてみればいいのでは(?)
- 12s3006:
- 結合次数を求める式は他に影響があることは考えなくてよいのか. M: 意味不明. ``他に影響'' とは何のことか?
- 12s3007:
- L と S の z 成分はスカラー和で表されるとあるが, これはフロンティア化学でやった z 軸方向に離散的になったり, 歳差運動したりすることに関係あるのですか. M: ベクトルの和を考える時, その成分については, 成分ごとに和をとるのが普通なのでは(?)
- 12s3008:
- なぜ
だと
となるのですか? M: なぜ, 講義時間中に質問しないのか? // この式一本から結論されるわけではない. その前にもう一本の式があったはずだ.
- 12s3009:
- N
, N
, N
の相対的安定性について, N
と N
の結合次数が等しいことから, この 2 つの安定性は変わらないということなのか. M: 結合次数は何の指標か? この大小は何を意味しているか? 以上から自分で論理的に結論を導けないのは, なぜか?
- 12s3010:
- p.335 について, 原子番号が大きくなるにつれてこの選択律は破れるとあるが, その場合どのようになるか. M: ``選択律は破れる'' の逆はどういう意味か? 選択律があると, 何がどうなのか??
- 12s3011:
- 高い分解能で見るとライマン系列のはじめのスペクトル線は二重線になるのはなぜですか?. M: ``ライマン系列のはじめのスペクトル線'' とは, どの電子状態からどの電子状態への遷移か?
- 12s3012:
- ある J=0 の状態から別の J=0 の状態への遷移は なぜ禁制か. M: 選択律がどのようにして生じてくるのか, 時間に依存する摂動を勉強すればいいのでは?
- 12s3013:
- 教科書 p.330 で
なので
遷移は禁制である, と書いてあるが, 選択律は
と書いてあるから許容になってしまうのではないのか. M: 構造物理化学II の講義の中で説明したはず. あなたはノートや参考書を見て復習しないのか?
- 12s3014:
- 問題 9.14 の略解が求めるべき答えと異なると思うが, どちらが正しいのか (問題文では ``相対的安定性を予想'' とあるが, 略解では結合次数のみが記されている) M: それを自分で判断できないのは, どうしてなのか?
- 12s3015:
- 9 章初めに H
についての考え方はより複雑な分子にも応用できるとあるが, 9.6 では, 単純な取扱いとされているのだが実際応用できているのか. M: 水素分子の原子間結合を理解するために, 水素分子イオンでの結果を全く利用していないのでしょうか? 全く応用されていないのでしょうか?
- 12s3016:
- 向きを表しているスピン量子数の
に絶対値記号を付ける意味はあるのか. M: どうして講義時間中に質問しないのか? 付けた本人に聞けばいいのでは(?)
- 12s3017:
- よりよい試行関数とは どのくらい厳密な試行関数を言うのか. M: 未だに ``厳密な (exact)'' の意味がわかっていない人がいることにビックリ. 講義で説明したことの復習とか, 自宅学習をしないのか?
- 12s3018:
- 問 8.50 で,
および
という式があったが, スピン関数を
から
に上げる操作と
から
に下げる操作を行ったときに関数の係数としてどちらも
が出てくるが, どういう意味があるのか. M: 別に. 問 8.51 で自分で求めてみればいいのでは(?) または, 参考書を見るなどして係数の一般式を求めてもいいし.
- 12s3019:
- (8.55) 式を簡略化した式
SO
において, 原子番号 30 程度以下の時に
SO
を摂動と考えられるとあるが, 原子番号が 30 以上の時は, 摂動と考えられないのか? M: 本気で教科書に記載の文章の意味が分からないのか? // なぜ
の時に摂動と考えられるのか?
- 12s3020:
- 解の数学的な形を見ても, 物理的な背景がわからなかった場合には, 近似解を求めて得られた近似的分子オービタルから考えるしかないのか. M: 物理的な背景がわかればいいんでしょ(?) // ある条件の下で成り立たないのなら, 設定条件を変更すればいい. 自分で答えを言っているのにネ.
- 12s3021+:
- 項記号について J に許される値が
のみなのは, なぜですか? M: (上限と下限は) ベクトルの合成, 1 づつ異なるのは (z 成分の) 量子化.
- 12s3023:
- 図 8.4 について,
の遷移の波長が他に比べてかなり大きいのはなぜですか. M: どの数値のことを言っているのか, わからない.
- 12s3024:
- フントの規則において, L と S が同じで副殻が半分より多く占有されているとき, 最大の J が最安定なのはなぜですか. M: 12s3004 参照
- 12s3025:
- 結合次数が 1 なら単結合みたいに書いてあるが分子全体に言えるのでしょうか. M: ``分子全体'' とは, どういうこと? 9 章は二原子分子の話ですが??
- 12s3026:
- p.335 の図 8.5 の
の選択律が, 大きな原子になると破れるのはなぜか? M: そこに理由まで書いてあるが, 何が分からないのか?
- 12s3027:
- 8.50 の
と
を用い,
を示すことは 何を意味をするのでしょうか. M: ``この結果は〜'' と書いてあるのに, それが分からないのでしょうか? 6.50 でも同じようなことをしていますネ
- 12s3028*:
- ボルン・オッペンハイマー近似を利用しなければシュレーディンガー方程式は解けないわけではないにも関わらず利用するのはなぜか. M: あなたは, 分子の電子状態を理解するために, どのような物理モデルを用いたらよいと考えているのですか? // あなたは, 多粒子系を, どのように理解するのが適切だと考えているのか?
- 12s3030*:
-
はスピン関数を ``上げる'' 演算子なのに,
となるのはなぜか. M:
を ``上げる'' と, どうなりますか?
- 12s3031:
- 水素原子中の電子のオービタル角運動量の 2 乗の大きさが,
であったのと同様, スピン角運動量の 2 乗も
であるとすることができるとあるが なぜ電子のスピン角運動量の 2 乗も同様に
であるとすることができるのでしょうか. M: では, あなたは, いくつになるのがふさわしいと考えているのですか? // 同じ ``角運動量'' という物理量が, 同様な振る舞いをすることは, 自然だと思いませんか?
- 12s3032:
- 電子状態を項記号で記述することによって, どんな利点がありますか. M: 項記号導入時の p.317 からの記述をよく読めばいいのでは? // §8.10, §8.11 の節のタイトルも参照. これでも利点がわからないと言うのか?
- 12s3033:
- 遷移の選択律が禁制でも遷移は必ず起こらないのか. M: 日本語が変な気もするが... // ``禁制遷移'' という言葉は普通にあるが(?)
- 12s3034:
- 教科書では原子スペクトルの選択律は 式 (8.59) であるとしているが, その後にすぐ
なので禁制とあり, 矛盾しているように思えるが
は許容な遷移なのか. M: 12s3013 参照
- 12s3036:
- 9.14 とはちがって, 異なる分子で安定性を比べたいときは どうすればいいのか? M: 唯一絶対の方法など, あるのだろうか? なぜ知恵と知識を駆使して工夫しないのか?
- 12s3037:
- 項記号によって表された電子配置のエネルギーの値を求めることはできるのですか. M: できないと考える理由はあるか? // (8.55) 参照
- 12s3038:
- 問題 8.50 で何故
や
は 0 になるのか. M: 12s3030 参照
- 12s3041*:
- 群論はどのようにして発見された理論ですか? また, 分子の性質を予想できる (教科書 p.487 上から 4 行目) とありますが, どのように予想できるのでしょうか? M: 数学的にはガロアの業績が上げられるが, 抽象的に過ぎるかもしれない. 読書感想文(仮) ネタか(?) // 例えば, 水や二酸化炭素は温室効果に寄与するが, 大気の主成分である窒素や酸素は寄与しないことがわかる, とか.
- 12s3042:
- 項記号で記述する利点はなんですか. M: 12s3032 参照
- 12s3043:
- 一重項状態や三重項状態は学んだが二重項状態というのはあるのか. M: 個別の知識の一覧表を暗記すれば良いという勉強方法は, いい加減に卒業しましょう. // ``○重項 (○は数字)'' という言い方は, 何の数が ○ なのか? 量子数との対応関係は?
- 12s3044:
- 問題 8.50 の (2) 式の ``
'' にはどのような意味があるのか. スピン関数
(
) を
(
) へ下げる (上げる) だけなら, 比例定数は 1 でもいいのではないか. M: 教科書のどこに出てきたか, 片っ端から検討してみればいいのでは? // 原子単位系では, そうなっていますね.
- 12s3046:
- 結合次数が高くなると, どうしてその分子の安定性が高まるのか. M: ``分子の安定性'' とは, ここではどのように定義・理解されていますか?
- 12s3047+:
- 教科書 p.327 のフントの規則の記述の項目 3 について, 副殻に半分ちょうど電子がプロットしている場合 J が大きくて安定なのですか? 小さくて安定なのですか? それとも, J の大小以外で安定性が決まるのでしょうか? M: ``電子がプロット'' するとは, どういう意味ですか??? // 項記号がどうなるか, まずは考えてみればいいのでは(?)
- 11s3013:
- 問 8.38 について, 「二重線の分裂幅」の二重線とはどこのことですか?
M: ライマン系列とは, どんなものか? 教科書第一章から読み直す必要があるのでは(?)
- 11s3019:
- 単純な分子軌道法ではヘリウム二原子分子が存在しないとなるのはなぜか? M: 教科書 §9.8 の記述の, どこが分からないのか??
- 11s3046:
- 安定性を予想するとき, どのような要素を考慮して考えればよいか. M: ``安定性'' とは, 何か? どのように定義したらよいだろうか??
- 10s3042:
- 交換積分 K の式を求めるために用いられている S の定義とは 何ですか? M: 少し教科書をさかのぼって p.355 からよくよく読みなおせばいいのでは(?)
rmiya, 2014-07-14