構造物理化学演習 (20140707)
M: 以下は宮本のコメント
- 12s3001:
- エネルギーの原子単位は
とあるが水素原子の基底状態エネルギーは, 原子核を固定する近似で
である, となっている. 原子核を固定するという近似でなぜ
が
倍されているのか. M: 自分で計算してみればいいのでは? なぜ
ではダメなのか? いくらなら納得するのか?
- 12s3002:
- ハートリー・フォック近似におけるクープマンスの定理に類似したものとして, ヤナックの定理があるが, この定理は どういった点が類似しているのか. M: 教科書にも載っていない新しい定理を持ち出してきて, クープマンスの定理に類似していると述べたのは, あなたです. あなたが見つけた記載にある説明をよく読んで考えてみればいいのではないでしょうか?
- 12s3003:
- 炭素原子の基底状態の電子配置を考える時, パウリの排他原理に矛盾するならば, どのようなスピンをとりうるのか. M: 量子力学の初歩を理解しているのでしょうか? // もちろん, パウリの排他原理に矛盾しない電子配置だけが可能です. 教科書 § 8.9 をよく読めばいいのでは(?)
- 12s3004:
- 多電子原子のハートリーフォック近似の波動関数の角度依存性が水素原子の波動関数の角度依存性と同じことは どうやって示せるのか. M: 章末問題 8.17 ですね. まずはシュレーディンガー方程式を書き下してみればいいのでは(?)
- 12s3005:
- 相関エネルギーとは 電子間のどのようなエネルギーについてのものですか. M: 平均場を越えた相関についてのエネルギー // 定義により,
CE
exact
HF
- 12s3006:
- 波動関数が任意の二つの電子の交換に対して反対称でなかったら どうなるのか. M: 教科書をよく読めばいいのでは(?) // パウリの排他原理に矛盾する
- 12s3007+:
-
e
で それぞれの値は異なり, 単位もちがうのに 等しくなっているのは どういうことですか. M: ``SI 単位系で見れば'' ですよね. 原子単位系で見れば, それらの基礎物理定数を無次元の 1 となる. 自分が今どの単位系で話をしているのか, 注意しましょう.
- 12s3008:
- ハートリー・フォック方程式を解くつじつまの合う方法とはコンピュータでないと解けないのですか? M: 解き方 (アルゴリズム, ソフトウェア) と, 道具 (ハードウェア) とを区別しましょう. また全ての環境 (数値計算の理論や資源) が, 始めから現在ある通りに存在していたわけではないことを思い出してください.
- 12s3009:
- 水素原子の波動関数のハミルトニアンと, 多電子原子のハートリーフォック近似の波動関数のハミルトニアンが異なっていることで, それらの動径依存性が異なるのは なぜか. M: シュレーディンガー方程式 (数学的には二階の線形微分方程式) は, 同じか違うか? 微分方程式の解の関数は, 同じになるか異なるか?
- 12s3010:
- p.313 で (8.41) は 2 電子系では空間部分とスピン部分に分解できるが, 一般には分解できないとあるが, なぜか. M: 例えば 3 電子系について, 自分で計算してみればいいのでは(?)
- 12s3011:
-
および
という関係において, これはまったく形式的な関係とあるが, 非古典的概念において, 形式的な関係とは どういうことか. M: 別に. 古典的概念における形式的な関係と同じでは(?) // 球面調和関数はルジャンドル方程式の解として得られるが, ここに古典論と量子論の区別はない. ただしその方程式において, 分離定数 l と m にはある一定の制限があったことに注意.
- 12s3012:
- 相関エネルギーは示量性ですか示強性ですか. M: 両者は何が異なるのか?
- 12s3013:
- 電子のスピン角運動量の z 成分がスピン量子数になるのはなぜですか. x 成分と y 成分は考えないののですか. M:
も加えて不確定性関係と言ってみるテスト // ユニークな軸を z とするのが習慣になっている.
- 12s3014:
- 実効ハミルトニアン演算子と水素原子のハミルトニアン演算子が異なるということは, ハートリー・フォック近似は正確ではないということか. M: 前段も後段も正しいのに, 論理は間違っている. // 近似はあくまで近似であり, 厳密には正しくない (
相関エネルギーの存在). しかし水素原子のハミルトニアンには, そもそも近似を導入する必要がなくて, 正確なハミルトニアンについて厳密解が得られる.
- 12s3015:
- スピンはまったく非古典的概念であるということは, 古典力学では, スピンを考えた問題は考えられていなかったのか. M: ``(三次元空間内の粒子 (質点) の) 第四の自由度'' を古典的に理解できるか?
- 12s3016:
- ハートリー・フォック方程式はつじつまの合う場の方法で解くとあるが, 具体的に何のつじつまを合わせればよいのか. M: pp.306-306 をよく読めばいいのでは(?)
- 12s3018:
- 原子単位を用いると記号が省略されてわかりづらくなると思うのだが, 原子単位を用いることに計算が簡単になる以下にメリットはあるのか. M: それだけでも重要なメリットだと思うが. // p.301 をよく読めばいいのでは(?)
- 12s3019:
- クープマンスが初めて導入した近似とは どういうものか? M: 私は知りません. 調べてわかったら, 教えてくださいネ
- 12s3020:
- 今までは, 量子力学の結果と古典力学の結果が一致することが多々あったが, スピン変数には古典的に対応する量がないのはなぜか. また, この他に古典力学と対応する量が存在しない変数はあるのか. M: 12s3015 参照 // 私は知りません. 調べてわかったら, 教えてくださいネ
- 12s3021:
- (8.27) の式のスピン変数
に古典的に対応する量がないことと,
に数字があてはまることでは どう違うのですか. M: 質問の意味不明 // 例えば位置を表す変数 x に 3.0 という数値が当てはまるというのはどういうことか.
- 12s3023:
- ハートリーフォック計算の結果は実験値とよく一致するとありますが, 表8.3 でネオンの 2p 電子が取り除かれる場合でのイオン化エネルギーではクープマンスの近似の方が近くなっています. ハートリーフォック計算がクープマン近似より離れたのはなぜですか. M: さあ? 私は知りません. 調べてわかったら, 教えてくださいネ
- 12s3024:
- SI の代わりに原子単位を用いる場合, 単位はどうなるのですか. M: 12s3007 参照
- 12s3025:
- ぐちょくに計算しろということは計算過程を全て書くということでしょうか. 少しでも略したらいけないのでしょうか. M: 私は, ``分からないのであれば, 省略しないで愚直に計算しろ'' と言った. アドバイスはしたので, 行動するかどうかはあなたの自由.
- 12s3026:
- (8.16) 式
が規格化されていいないのは なぜか? M: 自分で計算してみれば分かるのでは?
- 12s3027:
- 8.18 の多電子原子のハートリー・フォック近似の波動関数の動径依存性が水素原子の波動関数の動径依存性が異なることは何を意味するのか. M: 波動関数の二乗は何を意味するのか?
- 12s3028:
- ヘリウム原子では許容遷移は同じ多重度をもつ状態間の遷移となり二組のスペクトル線の重ね合わせになるのか. M: 何の話かわからない. // 通常は許容遷移が観測されるだけでしょ. それが何か?
- 12s3030:
-
eff
は実効的で平均的ポテンシャルと表しているが, 何の平均的ポテンシャルなのか. M: p.306 をよく読めば, 書いてある式をよく見ればいいのでは(?) // ハミルトニアンの, 何をそのポテンシャルに置き換えたのか?
- 12s3031+:
- p.337 のクーロン積分
と p.400 のクーロン積分
の式は異なった式であるがクーロンポテンシャルによるクーロンエネルギーを示した項をもつ
がクーロン積分といわれるのか. それとも 2 つの
は同じ意味をもつのか. M: ``数式の意味'' とは何か? 異なった系・物理モデルにおける異なった式でも, クーロンポテンシャルによるクーロンエネルギーという同じ様なものを表している式は, ``同じ意味を持つ'' と言うか?
- 12s3032:
- ハートリーフォック極限が, 1 電子波動関数の積の形の試行関数を用いて得られる最良の結果と教科書にあるが, 試行関数を別のものにすればより良い極限値が得られるのですか. M: 教科書 p.305 を下の方までよく読めばいいのでは(?)
- 12s3033:
- 問題 8.48 でアルゴンとクリプトンの光イオン化スペクトルには, いずれも 2p オービタルからの電子のイオン化に対応するとあるが, なぜ 2p オービタルが関係しているのか. 他のオービタルの電子からのイオン化はしないのか. M: 表 8.3 を見れば, アルゴンの他のオービタルからのイオン化についても書いてある. クリプトンのデータは同表にはないが, 同様でないと考える理由はあるか?
- 12s3034:
- なぜ原子番号が大きい原子では小さい原子で観測されない一重項-三重項遷移が起こるのか. M: スピン軌道相互作用, pp.328-329 参照. スピン軌道結合定数は
に依存する, 問題 8.46 も参照.
- 12s3035:
をスピン変数として形式的に扱っているが, 物理的意味はないのか. M: 12s3015, 12s3021 も参照
- 12s3036:
- 8.14 で空間部分が規格化されていない場合 どうなるのか? M: 自分で計算してみて, 何が分からないのか?
- 12s3037:
- つじつまが合う場の方法において つじつまが合うということは どのような状態を表しているのですか. M: 12s3016 参照
- 12s3038:
- 何故
および
は まったく形式的な関係であるのか. M: 12s3011 参照
- 12s3040:
- 原子単位は数値という事なのか. 原子単位では, 電子の〓[8 文字程度判読不能]は
e ということか. M: 何を聞いているのか分かりません
- 12s3041:
- エネルギーの単位を
とハートリーの単位
には違いがあるように見えないのだが, なぜ別々に表す必要があったのか. M: 意味不明. どこで, 別々に表す必要があると言っているのか?
- 12s3042:
- 原子単位を利用した値を計算して, 技術の進歩によって物理定数が更新された時に, SI 単位での値がほしい場合, 一から計算しなければばらないのか. M: 単なる単位系の換算なのだが, 何が分からないのか?
- 12s3043:
- 電子のスピンの向きは
となるが, 観測することができないのでは? M: 磁気モーメントとだけ言っておく. 私の担当分のフロンティア化学をお楽しみに :-)
- 12s3044:
- 教 p.310 より, 「区別できないということは, 数学的にはラベル付けのあらゆる可能性についての一次結合を用いることが必要になる.」とあるが, 電子が区別できないならばなぜ一次結合を用いることになるのか. M: 言い換えれば ``量子力学的な状態の重ね合わせ'' ということ. 状態関数が (ある種の) 波を表すので, 重ね合わせの原理が働く.
- 12s3046:
- 実効ハミルトニアン演算子の動経の依存性とは何か. M: 何が聞きたいのか? 数式をじっくりと見ればいいのでは
:-p
- 12s3047:
- 初歩的な質問でもうし訳ないのですが, スピン量子数は
と
の 2 種類しかないのはなぜですか? 正方向の回転と負方向の回転を示めしているのかはわかりませんが, 無回転という概念, それから縦の正負の方向, 横の正負の方向と より多方向に分類する考え方はないのでしょうか? それから最後の方で「
を数値とおく」とおっしゃっていましたが, 必ず数値として
とおかなければならないのですか?
を物理量として計算するのは, だめなのでしょうか? M: 軌道角運動量について
と
L を考えたように, スピン角運動量についても
と
S を考えればよい. p.321 あたりを参照,
の例が書いてある. //
の どこがそんなに難しいのか?
- 11s3013:
- p.307 で, ハートリー・フォックエネルギーは厳密なもののおよそ 99 % に達しているが, それでも差は 110 kJ mol
もある, とあり, 容認できないと書かれています. それでもハートリー・フォック方程式を用いるのは なぜですか? M: あなたは物事をどのようにして理解しますか? 分子について, どんな物理モデルを考えたらよいでしょうか?
- 11s3019:
- 柔軟な試行関数とは何ですか? M: 柔軟でない試行関数と何が違うか? それぞれの具体例を比べてみればいいのでは?
- 11s3046:
- 8.22 の後半の解答について,
の扱い方は暗黙の了解というような説明をしていたが,
を含む解答のままで正しいことになるのか. M: 示された計算と論理の, どこに誤りがありましたか? 正しいかどうか, 自分で判断できないのは何故か?
- 09s3043:
- 温度が 0 度の電子ガスにおいてハートリーフォック近似では常磁性よりスピンが偏極した常態の方が低密度よりにエネルギーが低くなるのは どうしてですか? M: 意味不明. ``低密度よりにエネルギーが低くなる'' とは? // 物性物理を勉強してネ
rmiya, 2014-07-10