化学の基礎II(G) (20131105)
M: 以下は宮本のコメント
- 13s3001:
- 自然対数を
と表す意味がよくわかりません. ただ単に常用対数との混同を防いでいるだけですか? M: 混同を防ぐことは, 重要ではないのですか?
- 13s3002:
- 水みたいに液体より固体のほうが密度が小さいものは他にどのようなものがありますか? また, それは水と同じような理由ですか? M: 自分でどれだけ調べましたか? // ``水と同じような理由'' とは, 何ですか?
- 13s3003:
- 共鳴構造をとる物質間の電子配置の変化において, エンタルピー変化はどのようになっていますか. M: あなたの言う ``共鳴構造'' とは, 何ですか? 例えばベンゼンにおける二つのケクレ構造は, 共鳴構造と言いますが, それぞれが実在しているわけではありません. 一方, ケトエノール互変異性は (共鳴ではありませんが) それぞれの構造は実在し, 状態のエネルギーも異なります.
- 13s3004:
- 外部圧を一気に減らした場合と外部圧を徐々に減らした場合の気体のした仕事量はなぜ違うのですか.
M: 計算してみて, 分かりませんか? どこが分からなかったのですか??
- 13s3005+:
- 状態量とはどういう意味なのか理解できません. どのような意味なのですか?
(;_;)
M: 他の参考書も読んでみてください. 続きはそれから.
- 13s3006:
-
のとき吸熱で
のとき発熱だとわかるのは経験的なものからですか. M: 系のエネルギー (ここではエンタルピー) が増加したならば, それはどこか外部から供給されたものを受け取ったからにほかなりません. これは ``吸熱'' ですね.
- 13s3007:
- 等温変化においてゆっくりと外圧を変化させるとき, 圧力が変化するのにどうして
として計算しないのでしょうか. M: ``圧力と体積変化の積'' という定義に則って計算しているだけ. もしも
(圧力の差 or 変化) を使うのなら, 例えばどういう計算をするのでしょうか?
- 13s3008:
- なぜ圧力が変化する条件下で出入りする熱は, エンタルピー変化として表されないのですか? M: エンタルピー変化の定義は? エンタルピーの意味は??
- 13s3009:
- 状態関数の例として, 温度, 圧力, 体積, 内部エネルギーがありますが, 他にも状態関数とよばれるものはありますか? M: 勉強すれば分かるのでは(?) 重要な概念で, 今後も使用するから出てきた.
- 13s3010:
- 定圧変化を考えたときにエンタルピーが出てきましたが定容変化を考えるときにもエンタルピーは関わってくるのですか? M: 13s3008 参照
- 13s3011+:
- 前回の質問への答に対してなのですが, 外界がなした仕事と気体がされた仕事は, どちらも仕事というエネルギーは外界から減った分だけ系で増加しているのではないのですか? それならなぜ2 つの仕事の値は同じにならないのですか? M: 絶対値は同じですネ. ただ符号を, 注目している系のエネルギーが増加する方向に正とするだけで. あなたも指摘している通り, 気体に注目すればエネルギーは増加しているし, 外界に注目すればエネルギーは減少している.
- 13s3012:
正しさが検証されつづけている熱力学 (前回の質問へのコメントより引用) 「正しさ」が検証される以上, 「正しくない」ものが存在する可能性があるのではないでしょうか. そうであれば, その中に前回の質問にあるような物質が含まれるのではないでしょうか. そうでないなら, 「正しさ」が検証される要因は何なのでしょうか. M: 科学の法則は, 数学の定理ように, 公理から演繹的に導出されたわけではありませんから. しかし, 電子・陽子・中性子といった共通の粒子から構成される原子や分子などの物質が, 一方で熱力学の法則に従い他方では従わないということがないことは, 容易に予想されます. 「正しさが検証されつづけている」は, 既知の様々なデータや観測結果が, 熱力学が正しいとして構成されているあらゆる学問の理論体系と矛盾がないからです. 仮に電子・陽子・中性子といった共通の粒子から構成される未知の物質が熱力学に反するとしたら, 新たな相互作用を導入しなければならないことになります. 既知の実験観測結果は, この未知の相互作用を全く考慮せずに得られているので, 考慮外の効果がもし実在すれば, それによる結果のバラツキが見られるはずですが, そんなものは実際には見られません.
- 13s3013:
- なぜ密度は示強変数となるのですか. M: ``示強変数'' とは, 何か?
- 13s3014:
- 魔法びんなどに用いられている真空断熱に関して, あるフィクションの物語で, 氷で真空多層の壁を作り, 『溶けない氷』と呼んでいましたが, もしそのような氷の壁を作ることができたとして, 氷は本当に溶けなくなりますか. M: 魔法瓶でも完全に熱の出入りを遮断しているわけではありません. 真の ``魔法'' なら話は別ですが, それは科学じゃありませんネ
:-p
- 13s3015:
- 電磁波に熱はあるか. // 粒子のことを波動関数でできるのはなぜか? ←変な質問 M: ``熱'' とは, 何か? // 日本語が意味不明.
- 13s3016:
- エンタルピーは大気圧下で使われていますが, 定圧であれば圧力が大気圧より大きくても, 小さくても使うことはできますか? M: ``定圧'' と言うとき, 圧力の値に制限はあるのか?
- 13s3017:
- エンタルピーが 0 の時の状態はあるのでしょうか. M: エンタルピーの定義式は? これがゼロになるのは, どういう時か?
- 13s3018:
- 示量変数どうしで割れば示強変数になるが示強変数どうしで割れば示量変数になるのか? // 融点において
個体[原文ママ]
液体 と書いていたがそれは全ての物質の時そうなのか? そうならその下に書いた
液体
個体[原文ママ]
はありえない気がする. M: 示強変数, 示量変数とは, 何か? 示強変数の比は, 示量変数たる要件をそなえているか? // 個体(?) と液体が, それぞれどんなものなのかを考えれば良さそうに思われます.
- 13s3019+:
- 等温変化で, 圧力を一気に減らす場合と, ゆっくり変化させた場合では, 経路が違うとありますが, 反応させる時間が違うだけで経路は同じと言えるのでしょうか? M: 微妙に日本語が意味不明. // ``ゆっくり'' は, 準静的と言うこともあります. 内圧と外圧の差を無限小にするのです. 圧力差がなければ体積変化が起こらないのだが, その圧力差が無限小なので, 体積変化が起こるためには無限大の時間を要する. 現実には, 他の効果と比べてその影響が無視できるならば, ある程度の速さで変化させても準静的とみなせる場合もあるだろう.
- 13s3021:
- 僕は高校で定圧変化や定容変化などの問題がにがてでした. 先生は物理でにがての分野はありましたか? M: それを聞いて, 一体どうするのだろうか?
- 13s3022:
-
のまま状態を変えることは, 永久機関が存在しないのと同様に不可能ですか? M: 13s3017 参照. ただし ``エンタルピー'' を ``エンタルピー変化'' に読み替える.
- 13s3023:
- 圧力 P や体積 V のような量記号は Pressure や Volume の略であるとするとエンタルピー (enthalpy) の量記号はなぜ H になったのですか. M: そう決めた人に聞けばいいのでは?
:-p
- 13s3024:
- 真空状態においても, 示量性, 示強性は成り立つのか? M: 示量性は示強性は, 真空かどうかに依存するのか? // 真空のどんな性質が, 示量性・示強性なのか?
- 13s3025:
- 気体の気圧を急に変化させるのとゆっくり変化させることは現実には完全に不可能であると思われますが, その中間の変化は実現できると思います. その際の仕事の量を求めるような式は存在するのでしょうか. M: なぜ人に頼る? 自分で求めてみればいいのでは? // 13s3019 参照
- 13s3026:
- 圧力だけじゃなく, 容積, 内部エネルギーのどれかが一定ならその時の
はエンタルピーでいいんですよね? M: ちゃんと数式を追って考えて, 意味を理解すれば分かるのでは?
- 13s3027:
-
つまりエンタルピー変化がない時は 何もおきていないってことになるのですか? M: 13s3022 参照
- 13s3028:
- なんで, 等圧過程のときだけ
とエンタルピー変化
が等しくなるんですか. M: 13s3026 参照 // ``仕事'' は一般には経路に依存するが, 経路が制限されているなら...
- 13s3029:
- 気体の等圧変化で温度を一定にするということは分かったが, 一定にした時の温度は何℃でもいいのか? いいのならば
℃ で一定にした時と, 100℃ で一定にした時の実験結果は違うのか? M: 理論的に理想気体で考えたときに, ``定温'' の意味は, 温度の値によって変わるのか? // 実在気体のふるまいは, 理想気体と同じか?
- 13s3030+:
- 高校で発熱反応で発生する熱は正, 吸熱反応では負だと習ったのですが, エンタルピーも熱なのになぜ符号が逆なのですか? M: その ``熱'' は, 実は既に ``発生する熱'' と自分で言っている. しかし熱力学では, 系のエネルギーが増加する方向が正符号と, 最初からことわっている.
- 13s3031:
- 変化の経路によって異なるものは, 熱や仕事の他にどんなものがありますか? M: あるかもしれません. 自分で探してみればいいのでは(?)
- 13s3032:
- 気体の等温変化で教科書の場合は外部圧を
から
にしていましたが, 外部圧を例えば
から
にした時, 外部圧を一気に増やしたときと徐々に減らした時では, 仕事の差はどれくらいになりますか. M: 自分で計算してみればいいのでは(?)
- 13s3033:
- どうして変化のしかたの違いで計算方法が変わるのだろうか? M:
という意味で, 全く変わりませんが? もし違うものに見えるのなら, 誤解があるのでしょう.
- 13s3034:
- 大気圧下のとき出入りする熱が特別に状態関数になるから呼びやすさのためにエンタルピーを定義したということですか? M: ちょっと違います. 13s3016 参照. // なお ``状態関数'' であることは, 非常に重要です.
- 13s3035:
- 「エンタルピー」という呼び名の由来は何ですか. M: 名付けた人に聞けばいいのでは
:-p
// また 13s3023 も参照
- 13s3036:
- 単位は多くあるがなぜ昔のものがのこっているのか. 一つにまつめることはしないのか. M: IUPAC の通称グリーンブック (Green Book) 参照
- 13s3037:
- 熱の変化量とエンタルピーは同じということですか. // なぜエンタルピーと名づけたのか. // エンタルピーという言葉はどこからきたのか. M: 一定の条件下でなら. 13s3028 参照 // 13s3035 参照
- 13s3038:
- 髪の色は どのような成分に存在しているのでしょうか. M: 意味不明
- 13s3039:
-
となるときの変化はありますか. M: 13s3027 参照
- 13s3040:
- 系へ与えた仕事や熱の量は異なる経路をたどっても等しくなることはありますか. M: そりゃ, あるかもしれないけど, それがどうかしたのか? // 自分でどれだけ考えてみたのか? 例えば講義で説明した H は? 11s3001 も参照
- 13s3041:
- エンタルピーで使っている P や V は, 理想気体のものですか? M: もしそうなら, エンタルピーは, 理想気体に対してしか使えないと思いませんか?
- 13s3042:
- 気体の等温変化で, 外部が真空になれば, 体積は無限大になり, 内部も真空のような状態になりますか. M: 意味不明. どうして体積が無限大にならなければいけないのか?
- 13s3043:
-
において, 定圧条件で系に熱を加えた時に,
の仕事に使われる熱と, 内部エネルギーの増加に使われる熱の割合は系の種類や状態によって決まっているのか. M: 自分で段階を追って考えてみて, 何が分からなかったのでしょうか?
- 13s3044:
- 通常の熱の出入りはほとんど定圧とあるが, 定圧じゃない熱の出入りとはどのような例があるのですか? [以下略] M: 講義で, 定圧とならんで定容を紹介したのだが, 気づいてもらえなくて残念
(;_;)
また, 例題でもやっているのに...
- 13s3045:
- 熱と仕事は変化の経路によって量が変わらないときがありますか. M: 13s3040 参照
- 13s3046:
- 外圧をゆっくり変化させる場合, 系の圧力は変化の各時点で外部の圧力と平衡にあるということですが 現実的にこのように変化させることは可能なんですか? M: 13s3019 参照
- 12s3017:
- エントロピーは熱の移動量を温度で除したものなのに, なぜ状態量といえるのか? M: それは エントロピーの変化量. // また, 状態量ではない仕事と熱の和が, 状態量である内部エネルギーの変化なのだが...
- 12s3024:
- 液体より固体の方が体積が小さい物質の場合で固体の入った系の圧力を低くすると, 溶解と温度の低下のどちらがおこりますか? M: 自分で考えて, 何が分からなかったのか? 相図で確認すればいいのでは(?)
- 12s3026:
- エンタルピーは内部エネルギーと PV 仕事の和だとありましたが, PV が 0 で H=U になる時はどういうことを示しているのでしょうか? M: PV 仕事とは
ですから, これがゼロなのは...自由膨張 (
外部
) か, または定容 (
) が当然の帰結.
- 12s3047:
- この講義, 教科書では熱力学第一法則について, 理想気体を扱っていますが, なぜ実在気体を考えないのでしょうか?// また, 実在気体の場合, その補正は熱力学第一法則にどのような影響を及すのでしょうか? // それと, そぼくな擬問[原文ママ]ですが, なぜ気体の状態方程式はあるのに, 液体, 固体の状態方程式はないのでしょうか? M: 別に. 理想気体を使うことで, 熱力学の第一法則を理解するために本質的でない話が省略されて話が簡単になるというメリットはあると思いますが, 実在気体を使うことで, これを上回る何かメリットはありますか? // (+) 理想液体や理想固体という概念はあるだろうか? 理想溶液 (ラウールの法則に従う) や理想希薄溶液 (ヘンリーの法則に従う) という概念はある.
- 11s3001:
- 仕事 w が状態関数となるような条件はありますか? M:
なので, もしも
ならば
であり, 系になされた仕事は状態量です. 熱の出入りがないのだから, これは断熱系.
- 11s3014:
- エンタルピーの説明の際の, 同じ物質で融点において
固体
液体 とはどういうことでしょうか?
熱 なのであれば, 物質により, 融点は定まっているので
固体
液体 になるように思いました. もう少し解説していただきたいです. M: 熱と温度は異なります. もしも
固体
液体 であれば, 相変化に際して熱の出入りは無いことになります. 加熱もせずに固体が融解し, 冷やさずとも液体が凝固する??
- 11s3022:
- 炊飯器の中でご飯を炊いている時の反応過程は, 物理的に考えたら 等温定圧過程になるのでしょうか? M: 自分で考えた結果は, どうなりましたか?
- 11s3032:
- 気体が液体になるときに
となる場合もあるのですか. M: 13s3018 の後半を参照
- 10s3017:
- エンタルピーとエントロピーを同時に考えることができる状況とはどんなときですか. M: 例えば, G = H - TS と言ってみるテスト.
- 09s3043:
- 量子力学では波動関数が状態ベクトルの性質をもつのは位置の関数で展開したときに係数になるからですか? M: 意味不明. ``位置の関数で展開'' とは? ``係数'' とは何の?? // 任意のベクトルは, 単位ベクトル (規格化直交系) の線形結合で表現できる.
Ryo MIYAMOTO, 2013-11-20