物理化学 AII (20100203) M: 以下は宮本のコメント
08s3001: 
二酸化炭素と気温の推移のグラフを見ると地球温暖化には二酸化炭素はあまり関係ないように思われます. それなのになぜ国は, 地球温暖化には二酸化炭素を減らそうとしているのでしょうか. M: 具体的にどのグラフでしょうか ? // 政策の実行は, 一応, 科学的真偽とは別次元の話です (狂牛病の例を見よ).

08s3002: 
電気陰性度は なぜ F が一番強いのですか ? M: 電気陰性度の (定量的な) 定義は ?

08s3004: 
私は最近, 高校時代までに感じなかった未熟さを感じます. 先生は学生時代, 自分に未熟さを感じていましたか ? また, 感じていたのであれば それを解決するためにどのようなことをしましたか ? M: その感覚が本物でれば, 解決できないものだと思います. その未熟感と折り合いをつけて, 一生抱えていくものだと. 世の中で ``達人'' と呼ばれる人ほど, 自己の未熟さを感じているのではないでしょうか.

08s3005: 
pH は, 水素イオン活量 $ a_{\text{H}^+}$ の常用対数をとったものであるが, なぜ高校で習う化学では, pH は水素イオン濃度 [H$ ^+$] の常用対数をとったもので表しているのですか ? M: 役所の陰謀 :-p 活量をきちんと理解するためには, 教科書 pp.1029, 1124 レベルが必要ですけど, 高校生向けですかね ? たぶん歴史的には水素イオン濃度指数から始まったのでしょうから, それで済む系をあつかっているかぎりは, それでもいいのではないでしょうか.

08s3006: 
見た目が同じ食器でも, 耐熱性に差があったり, 電子レンジで使えたり使えなかったりするものがありますが, これは使われている素材や作り方に差があるのか. もしそうならば, どのような素材でどのように作れば壊れにくいまた使いやすい食器が出き[ママ]ますか ? M: ちょっと, 口あんぐり状態なんですけど. 道具は使われ方に応じた素材や製法で作られる, あるいは逆に, 素材や製法に応じた製品の使われ方をするってのは, 常識だと思っていたのですけど......

08s3007: 
磁力は, 他の気体中 (例えば二酸化炭素) と真空中とでは, 強弱の違いはあるのだろうか. M: 媒体の透磁率というものがありますね.

08s3008: 
防音効果のある物質は どんな原理で防音しているのでしょうか ? M: 媒体中を音が伝わるのは, なぜですか ?

08s3009: 
2pz の $ \sigma$ 結合で節面 0 といっていたが, 図 9.11 を見るとまだ節があるように思えるのだが なぜか ? M: あなたの勘違い. ``z 軸を含む節面'' はありません.

08s3010: 
1.クロロフィルの中心金属は Mg ですが, ヘモグロビン (中心に Fe) の代わりにヘモシアニン (中心に Cu) があるように, Mg 以外の金属が入ったクロロフィルのような役割をもつものはあるのだろうか. // 2. 「分子の気持ちになって考えよう」と先生のどっかのウェブページに書いてありましたが, マクロである私たち学生の気持ちになって考えたことはありますか. (もしかして全てお見通しだったとか) M: Zn 置換クロロフィルを使用している例が発見されたと聞いた覚えがあります. また名前は似ていますが, ヘモシアニンはヘム構造を持っていません. 中心は銅ではなくって酸素と言えるかも :-) // 学生がどのように考えるかを, 全く考えない教員など, 存在しないと思うのですけど......

08s3011: 
オービタルで + 性と − 性があるが, これは電子が入っている方が − 性となるのですか ? もしそうなら, 電子は常にうごいているから 結局, 結合性オービタルと反結合性オービタルは常に電子のうごきにあわせて, 交互に 結合性, 反結合性のオービタルにかわりながら存在しているのですか ? M: もしも後段が正しいなら, オービタルのエネルギーが変化する分の補償はどうなるだろうか ? と考えると, エネルギー保存則との関連から, そんなことはアリエナイとわかる. すなわち前提に誤りがある. // オービタルの + 性というのは, 単なる波動関数の符号のことではないのか.

08s3012: 
中性子と陽子は核内で共鳴状態にあると本で読みました. 共鳴状態でいたほうが安定だからだと考えましたが, それだと水素 (H) の核は重水素 (D) の核よりも不安定だということになってしまいます. 共鳴状態だからといって安定だとは限らないのですか ? (H の存在割合に比べて D の存在割合がとても低いので H は D よりも安定だと考えてます.) M: まず, 安定・不安定を述べるときは, その基準をはっきりさせましょう. 共通の基準じゃないと比較できません. 原子核の安定性から言うと, 鉄あたりが最安定であり, 恒星内の核融合反応で生成されるのはここまでだと. それよりも重い元素は, 別の過程で生成される. で, ウランなどの重元素は, 核分裂によってエネルギーを放出すると. 次に, 宇宙 (地球) での元素の存在比ということになれば, 前述しましたが, その生成過程をも考える必要があるかと思われます. 第三に, 単独の粒子としてみると, 陽子と中性子の寿命には, 圧倒的な差がありますね. 第四に, 同位体存在比について, 最新の原子核物理学や宇宙論は, 何といっているのでしょうか. 専門書を見てはいかがでしょうか.

08s3013: 
犬の嗅覚は人間の何万倍もあると言われていて, 人間の嗅ぎ分けられないくらい薄いニオイも嗅ぎ分けることができます. また, 教科書などには「無味無臭の気体」という表現があります. この無臭というものの定義はどうなっているのでしょうか. M: ``無臭'' の定義とは, イイ線をついていますね. その調子で, ぜひ, ``人間の嗅覚の何万倍'' の定義も追及してみてください.

08s3014: 
金はナノ粒子で医療分野や機器に使われるが, ナノ粒子にすると, どんな点で使いやすくなるのか. M: 使いやすくなるというよりは, バルクと比べて特異な性質が出てくるということだと思われます. ちなみに, 金のナノ粒子の医療分野での利用って, 何でしょうか ?

08s3015: 
水酸化ナトリウムの熱水溶液中に銅板と亜鉛粉末を加えると, 銅板上に亜鉛が析出するそうです. イオン化傾向を考えれば Cu$ ^{2+} <$   Zn$ ^{2+}$ でイオン化しやすい亜鉛が析出するはずはないのですが, なぜこのような反応が起きるのですか ? M: 伝聞形ではなく, 事実関係を確認することがまず第一でしょう. 次に, 単なる水溶液 (水溶媒) ではなくてアルカリだということに, 鍵がありそうです. 水酸化物の影響も考慮する必要があるでしょうね.

08s3016: 
レーザーポインターはレーザーポインターが発光した色が物に当たって発光した色が見えます. 黒色の物にレーザーポインターをつかっても発光した色が見えるのなぜですか. M: 単色光の光源から出た光の反射光が, 当該色以外である方が不思議ですけど (笑). それはさておき, 現実の物質であれば, いわゆる黒色であっても, 反射率が完全にゼロにはならないと思います. すなわち光の強度が十分に強ければ, 有意の反射光が見えるでしょう.

08s3017: 
有機物に金属イオンが結合したクロロフィルなどがありますが, 金属イオンが変わると, その有機金属分子の性質が変化するそうですが, どのような点で, 金属イオンが, 分子に作用しているのですか. M: これは異な事を. 分子オービタルが原子オービタルの線形結合で構成されるという, もっともシンプルな近似を用いたとしても, 分子の性質にそれを構成する原子の性質が反映されるのは自明だと思うのですけど. もちろんこうやってできた分子オービタルに入る電子の数は, 原子それぞれが持っていた電子の数の合計ですし (プラス分子の酸化還元).

08s3018: 
活性酸素は, 酸素が化学的に活性になった化学種ですが, 他の原子にはないのでしょうか ? M: なぜ活性化されるのかの原理を理解すれば, 他の原子への適応可能性がわかるかと思います.

08s3019: 
なぜ地磁気は発生するのですか ? また月や太陽にも地磁気は存在するのでしょうか ? M: 地球科学の関連書籍を読んでみたらどうでしょうか. 地球コアに流れる電流のこととか, ダイナモ理論とか, 色々調べてみてください.

08s3020: 
以前に「光があたった時, 触っているといえるか」という質問をしたが, ミクロな視点で見ても光子と分子は当たっているから, ただ触感がないだけで触っていると言えると思うが, どうなのだろうか. または, 触感がないと触っているとは言えないのか. M: マクロな系, 例えばビリヤードでは, 転がってきた玉が衝突・接触した後に, 跳ね返ってそれぞれ運動していく. この接触した瞬間を見ると, 二つの玉の中心は最接近していて玉の半径の和だけ離れており, また接点を境に二つの玉があるわけだ. これが ``当たっている'' 状態だ. これがミクロな系ではどうなるだろうか ? まずは二つの原子が衝突して跳ね返る場合はどうだろう. それから本題の, 光が原子 (または分子) に当たって跳ね返る (散乱される) 時の事を考えてみよう. 当たった瞬間 (?) は, 何がどうなっているだろうか ? さらに, 光のエネルギーを原子 (または分子) が吸収してしまったらどうだろう. すなわちこの質問の面白い点は, 日常感覚で当然と思っていたかもしれない ``接触'' とか ``当たる'' とは, ミクロに見るとどういうことなのだろうかと, 再考を促すところだったのだ.

08s3021: 
今回で 3 回目ですが, 期末レポートを課される度に, よくもまぁこんな難しい問題を用意するなぁと, 感心してしまいます. どこからアイディアが湧いてくるのですか ? M: もちろん私の頭の中からですが :-) お褒めの言葉をいただきまして, ありがとうございます. さて, 量子化学の初心者である皆さんにとっては, 難しく見える問題かもしれません. しかし私や他の慣れた視点から見れば, 決して難しい問題ではないつもりです. (一応, 難しいと煩雑は別ということで.) 逆に言えば, 教科書レベルの基本的な知識を用いていても, このような種々の問題に対して, それなりの考察が可能だということですね.

08s3022: 
暗い所でブラックライトを当てると物体が発光しているように見えますが, どのような現象でこのように見えるのでしょうか ? M: ``ように見える'' ではなくて, 発光しているのでしょう. その件については講義の最初で話しました. ところで, ブラックライトとは いったい何でしょうか ?

08s3023: 
物質の固体・液体・気体でない状態は存在するのか. M: 超臨界状態とか.

08s3024: 
超弦理論は, 物理学の理論, 仮説とありました. この理論の真偽を確かめることができたら, 理論の定義される 10 次元のうち, 余分な 6 次元とされる空間軸にも, 名称はつきますか. M: 必要なものには名前がつくでしょうね.

08s3026: 
防音加工された部屋が数多くありますが, これらはどのような工夫をすることで防音になっているのでしょう ? M: 手法は色々あるでしょうから, 個別の事例に当たってください. 08s3008, 20100113 の 08s3024 等参照.

08s3027: 
電気陰性度の差により極性を生じる分子があるが, 例えば電気陰性度の差がどのくらいならば, 極性を生じるかなどの目安はあるのだろうか. M: いわゆる極性の有無の境界はどこか ? いわゆる極性って, 具体的にどういう物理量か ?

08s3030: 
時間って何ですか ? M: 哲学的な問題ですね. それとも相対論的な話 ? ニュートン力学的な話 ??

08s3031: 
同じ部屋の蛍光灯を同時に交換しても片方だけ先にきれてしまうことがよくありますが なぜなのでしょうか ? M: 蛍光灯は, 最初から切れてますけど :-) それはさておき, 製品の個体差. 管だけじゃなくて本体とか設置環境とか全部含めての広い意味ですけど.

08s3032: 
レーザー冷却はレーザーを用いて気体分子の温度を絶対零度近くまで冷却できる方法ですが, 原子 (分子) にレーザーが当たると温度が下がるのは どの機構で起こっていると考えられますか. M: 名前だけで満足しないで, そもそも冷却の原理を調べてみてください.

08s3033: 
なぜ原子核反応をおこすのは, ウラン元素とトリウム元素だけなのですか. M: 意味不明です (質問の前提に誤りアリ). 放射性同位元素はたくさんあるし, また逆に軽元素は核融合反応をしますけど......

08s3034: 
放射線が治療に用いられる放射線治療は, 人に害をなすリスクはないのですか ? M: 当然あるでしょう. だからベネフィットを考慮して, 慎重に処方されているのでしょう. 交通事故のリスクはあるけど, 多くの人が自動車を利用している.

08s3035: 
紙などに塗った蛍光塗料中の電子は絶えず 基底状態 $ \rightleftarrows$ 励起状態 という遷移を繰り返しているのか. M: 私が yes/no 言うことに, どんな意味がありますか ?

08s3036: 
ロスナイ換気扇は温度の変化を抑えながら, 換気をしますが, どうやって温度変化を抑えているのですか ? M: 個別の製品の事情は知りませんが, 熱交換型と称しているのじゃなかったかしら.

08s3038: 
適切な触媒を選び出すときはある程度予測をして決めるのか. M: 状況が良くわかりません. どの反応のことなのか, 使用する触媒は既知なのか 等々.

08s3039: 
よくパソコンの電源をコンセントにさしっぱなしだと電池が悪くなると聞きますが, なぜですか ? M: どのパソコンでしょうか. 普通のデスクトップでそんな話は聞いたことありませんが :-) ノートパソコンの話ならば, 20100120 の 08s3023 参照.

08s3040: 
フントの第三規則では, L と S が同じ場合は, 副殻が半分より少なくしか占有されていないと最小の J の状態が最安定で, 半分より多く占有されていると最大の J の状態が最安定になりますが, それはなぜですか ? M: 20091216 の 08s3028 参照.

08s3041: 
超電導を示す物質はありますが, 不電導 (不導体ではなく, 全く通さない) という状態は作り出せるのでしょうか. M: 物質が全くなくても電気が流れることはありますからね ;-)

08s3042: 
物理の世界を構成する 4 つの力, 「重力」「電磁力」「弱い力」「強い力」は, 宇宙の誕生から今に至るまでの間に 1 つの力から別れていったと本で読みましたが, その別れる前の力とは何だったのでしょうか ? M: 例えば電磁力と弱い力とを統合した力は ``電弱力'' などと呼ばれていますが, 名前を知ったからといってそれが何なのかが分かった訳ではありませんね. ということで, 専門書を読んでください.

08s3043: 
過去の質問の返答で, 「観測されたもののみ実在」と何度か見ました. IA ? のときに零点エネルギーの質問をしましたが, 零点エネルギーは観測できないのに, 実在するのですか ? へりくつっぽくてすみません. M: 屁理屈も理屈のうちです (謎). 零点エネルギーは, 例えばエネルギーの原点についた名前と考えてはいかがでしょうか. 又は例えば調和振動子であれば, 古典的に予想されるエネルギーの最小値と実際の (量子論的) 最小値との差とか.

08s3044: 
授業の内容を理解したことを確認するのに最も適した方法は何だと思いますか. M: 期末レポート追加課題をそのまま投げてくるなんて, チャレンジャーですね (笑).

08s3045: 
周期表の 1 族にあたる金属の中で, Li だけが燃焼して, 通常の酸化物 (他は超酸化物・過酸化物) をつくり, また, 唯一 窒化物をつくります. この Li の特異性はどのように説明できるのですか ? M: 私は知りません. ご自分で考えてみてはいかがでしょうか ?

08s3046: 
今日の授業ででてきた $ \delta$ 結合は d 軌道に電子をもつ遷移金属元素が四重結合をもつ化合物をつくるときに $ \sigma$ 結合 1 つと $ \pi$ 結合 2 つと $ \delta$ 結合 1 つを生じてできているのですか ? M: 私が yes/no 言うことに, どんな意味がありますか. 個別の事例について, 分子オービタルを作り, 電子を入れて, 結合次数を評価し, 考えてみればよいのではないでしょうか.

08s3048: 
$ _{63}$Eu: [Xe]4f$ ^7$6s$ ^2$ なのに, $ _{64}$Gd: [Xe]4f$ ^7$5d$ ^1$6s$ ^2$ になるときに, まだ 4f 軌道には電子が入るのに, なぜ 5d 軌道が出てくるのですか ? M: 20100127 の 08s3045 参照.

07s3001: 
ある加湿気[ママ]からマイナスイオンが出ると書いてあって, 太陽と同じ OH ラジカルが出て除菌作用があるそうなのですが, そもそも太陽光から OH ラジカルは発生するのでしょうか ? M: えぇ〜, 未だにこんな質問する人がいるのぉ〜 ? 真面目に対応するのも馬鹿らしいのですが, そもそも OH ラジカルはマイナスイオンなのかとか, 太陽と同じ OH ラジカルって何よとか, 小一時間...... 問い詰めたくなんかないなぁ.

07s3002: 
モビルスーツのように熱核反応炉を乗せたロボットは作れると思いますか ? M: 私の個人的な意見が何だというのでしょうか ? ところでその ``モビルスーツのような熱核反応炉'' って, どんなものですか ? 実物とか設計図とか, あるのでしょうか. そうでなければ, 何か作ったものが比較対照物と似ているかどうか, 評価できないと思いますけど ??

07s3004: 
ウルトラマンのビーム光線でかいじゅうは爆発しますが, ビームのような光で物体を爆発させることは可能なんですか ? M: 光の伝わり方が全方位的ではなくて特定の方向に収束されているかどうかと, エネルギーを受けとった対象物が爆発するかどうかは, 関係ないと思いますけど. ``激光'' とかレーザー・アブレーションとか, 調べてみてはいかがでしょうか.

07s3005: 
ベジタリアンの人は野菜からたくさんの栄養がとれるようになると聞いたことがあるのですが, 私たちが地球ではないところに住むとしたら順応してくるものなのですか ? M: まるぺに登場するテラナーの環境適応人を連想してしまったというのは内緒です ;-) さて前半の主張は, 個体の身体能力が環境に応じて変化するという主張, しかも通常の環境下の個体とは異なる能力が発現するという主張でしょうか ? 考えようによってはかなり強い主張だと思われますが, それなりに強力な根拠あるいは証拠があるのでしょうか ? 具体的には, 通常人が野菜から得ることのできない, どんな栄養素をベジタリアンは得ることができるのでしょうか ?? // 後半についても, どの程度のことを主張しているのでしょうか ? 例えば D 型アミノ酸しかない世界では人がそれを使えるようになったり, 平均気温が摂氏 100 度を超えるような世界ではその温度で適切に働く酵素を体内で使用するようになるとか, そういうことか ??

07s3006: 
結合次数で, $ \displaystyle \frac{1}{2}$ はどういった理由で掛けられているのですか. M: あなたの想像力の及ばない所なのでしょうか ? 物理量を表現するときに, その数値がいくつであるかには, あまり意味がありませんね. すなわち使用する単位が異なれば, 数値は定数倍の違いを持つからです. しかし一方で, あるものを表現するのに手頃な数値というものが, あることも事実でしょう. あなたは, 結合性軌道に 2 個の電子が入ることにより形成される原子間の結合 (すなわち水素分子における水素原子間の結合) について, 結合次数を 1 とするか, あるいは他の数値 (2, 4, 10, または 3.14 など) とするか, いったいどのようにしたら ``わかりやすい'' と思いますか ?

07s3007: 
この講義を受けて, 多少物理化学の苦手意識がなくなりました. ありがとうございました. M: それはよかったですね, 得意になれればもっと良かったけど. ところで, 提出物が要件を満足していませんネ (質問が書かれていない).

07s3009: 
2012 年に, 太陽活動が活発になって発生する太陽フレアによって地球が滅亡するとか何とか言っていますが, それはあり得ることでしょうか. 情報源はネットなんで 信憑性はいまいちですが. M: ネットと一口で言っても, ピンからキリまであります. んで, 主張する側の根拠は何なんでしょうか ? ちなみに, 可能性があることと蓋然性があることとの間には, 大きな差があります.

07s3012: 
p.369 の図 9.13 で Li$ _2$-N$ _2$ までは $ \pi_$u2p より $ \sigma_$g2p のほうがエネルギーが高くなっているのはどうしてですか ? M: 他のいろんな教科書も見てみたらいかがでしょうか. 例えばコットン& ウィルキンソンの基礎無機化学とか.

07s3014: 
良溶媒, 貧溶媒とはどのような溶媒なのですか. M: どんな文脈で出てきた言葉なのでしょうか ? 溶解度ですか ??

07s3015: 
スズは零下 30 ℃ 以下の低温に保つと, はれもののような突起ができて, それが広がっていくと灰色錫になってくずれてしまうそうですが, そのはれもののような突起は何なのでしょうか. M: 自分で答えを言っていると思うのですけど. で, その温度は 13.2 ℃ と, 私が見た本には書いてあるんですけど......

07s3016: 
N$ _2$ では電子は (1 $ \pi_$u) の後に (3 $ \sigma_$g) に入るのに, O$ _2$ では先に (3 $ \sigma_$g) にはいるのはなぜですか. M: 07s3012 参照.

07s3017: 
酸素は常磁性を持ってますが, 磁石付近の酸素は磁石にくっついているのですか ? M: 磁石の強度や酸素分子の持つ運動エネルギーなどに依存すると思われます.

07s3019: 
「変化」が完全になくなった空間では時間が存在するか ? M: 哲学的ですね. でも相対論によれば時間と空間とは不可分なので, 時間が存在しない空間というのは無いように思われます.

07s3024: 
液体酸素を U 字型の磁石の間を流そうとすると酸素に磁気的性質があるため, 通り抜けないそうです. 流れた酸素は通り抜けずにどうなるのでしょうか. M: ``通り抜けない'' と主張する人に聞けばよいのではないでしょうか. 07s3017 参照.

07s3027: 
三原子が直線形の CO$ _2$ 分子は, 双極モーメント[ママ]を有することで赤外活性になり, 赤外線を吸収する. このために CO$ _2$ 分子が振動後には熱を放出して, 地球温暖化に起因すると聞きました. 双極子モーメントを有しない, 環状 CO$ _2$ 分子なら, 温暖化の寄与は少ないと思うのですが, 環状 CO$ _2$ 分子の存在比率を上げる方法は, どのようなものがありますか. M: ずいぶんと滅茶苦茶なことを言う人がいるんですね. まず赤外活性については, 教科書 13.9 節あたりを読んで勉強してください. ちなみに CO$ _2$ 分子が直線型で, 永久双極子モーメントを持たない (無極性分子である) のは, 高校化学レベルの常識だと思うのですけど. それから, ``環状 CO$ _2$ 分子'' の話に至っては, 何じゃこりゃ ?! という感じなんですけどねぇ.

07s3031: 
電子レンジで温めた料理は冷めやすいという話を聞いた事があるのですが, 実際に, 冷めやすくなっているのだろうか ? M: そのように主張している人に, 理由をきいたらよいのではないでしょうか. 加熱不十分で表面だけが熱かったり, 料理は温まっても器が冷たいままだったりというオチでしょうか.

07s3032: 
pH 指示薬の変色 pH は pH=2.00 から離れているものが多いですが, 変色で中和でいいんですか. M: 意味が分かりません. ``変色で中和でいい'' とは何のことでしょう ? で, ここで出てくる中和と, 変色域が pH=2 から離れていることとが, 何の関係があるのでしょうか ?

07s3033: 
レーザーポインタを見ていて思ったのですが, 影に色をつけることは可能ですか. M: 影って何だ ? 物に色がついて見えるって, どういうことだ ? 20091111 の 08s3029 参照.

07s3035: 
月がとても大きく見える時がありますが, それをカメラで撮ろうと思うと, 目で見たものとは違ってとても小さくうつります. なぜでしょうか. 目の錯角[ママ]で大きく見えているだけでしょうか. M: お月様は恥ずかしがり屋さんで, 写真を撮られるのが嫌いなのでしょう. だから撮ろうとすると遠くに逃げるんだと思いますヨ :-P

07s3039: 
地球温暖化には温室効果ガスによるものの他に, 太陽活動が活発になったというのも原因としてあるようですが, 太陽活動と温暖化にどう関係があるのですか ? 単純に放出する熱が増えた ?? M: 基本のキの話ですね. IPCC の報告書とかその解説書とか, 読んで勉強してみてはいかがでしょうか.

07s3042: 
d$ \tau = r^2 \sin\theta  $   d$ r$   d$ \theta$   d$ \phi ...... (1)$ ですが, 何故 $ \displaystyle \int_{-\infty}^{\infty} \phi^* \hat{\cal H} \phi  $   d$ \tau$ を計算する際 中身を整理してから d$ \tau$ に (1) を代入するのと代入してから整理するのでは 計算結果がかわるのですか ? ただの計算間違いですか ? [丸数字を丸括弧数字で記した] M: 代入という操作と, 整理という操作は, 可換ですか ?

07s3043: 
天気雨はどうして降るのでしょうか ? M: 降らないと, ただの晴れになってしまうから :-P

07s3044: 
発熱反応で最も大きな熱を出すものは何ですか ? 自分が知っている中ではテルミット反応の 2000 ℃ なのですが, それ以上のものはありますか ? M: 最近, テルミット反応$ \rightarrow$   高温 などという言葉を聞くと, 某胡散臭い系の話かと, 連想が働いてしまう :-( 閑話休題. 熱ってエネルギーのことじゃないんですか ? 温度のことなんですか ??

05s2059: 
配位子が置換する際, トランス効果が働きますが, トランス効果の強さは何によって決まるのでしょうか. M: そのトランス効果の作用機序は, どうなっているのでしょうか ?



Ryo MIYAMOTO, 2010-02-05