理学部化学科2年生以上対象 : コンピュータ演習

1997年度のテーマと担当は以下のとおりです。
  1. 化学とコンピュータ ... 須藤
  2. ワープロと電子メール ... 宮本
  3. 化学プログラミング入門 ... 喜多
  4. 表計算ソフトの化学への応用 ... 糠塚
  5. 化学構造式の描画と立体モデリング ... 川上


化学プログラミング入門 (暫定版, 喜多)

プログラミング入門として簡単なプログラム作成までを5回程度で行う。 ねらいとしては、全く経験の無い者が初歩のプログラムを組み、 パソコンやポケコンで簡単な計算をできるまでを目指す。
  1. エディタの使い方
  2. プログラム事始め
    1. 代入文と変数
    2. 判定と繰り返し
    3. データの型
    4. 関数とサブルーチン
    5. 簡単なプログラム (直線回帰プログラム?)
  3. プログラムの実行と入出力
言語: BASIC, FORTRAN, C のいずれか


表計算ソフトの化学への応用 (糠塚)

A computer spreadsheet is a simple but powerful tool for manipulating quantitative information. In this book, spreadsheets will help you explore phenomena such as the shapes of titration curves and the concentrations of species at equilibrium, which depend on otherwise repugnant doses of arithmetic. Spreadsheets readily allow you to contact ``what if'' experiments in which you investigate the effect of a stronger acid, a higher temperature, a different ionic strength, and so on. Spreadsheets allow you to plot your results or to transfer the numbers to a graphing program. Examining graphs is critical to understanding quantitative relationships.
...... D. C. Harris, ``Quantitative Chemical Analysis'', 4-th ed., Freeman.

((訳)) コンピュータの表計算ソフトはとても単純なものですが、 定量的な情報を取り扱うのにはたいへん有用な道具です。 本書において、表計算ソフトはあなたがいろいろな現象を探求する 助けになるでしょう。 これが無ければたくさんの計算に後込みしてしまいそうな、 滴定曲線の形を求めたり、平衡状態でのそれぞれの化学種の濃度を 調べるのに役立ちます。 また表計算ソフトは``もしも''の実験を行うことができます。 この仮想的な実験では、より強い酸の場合、より高温の場合、 異なるイオン強度の場合や、そのほかさまざまな条件を調べることが可能です。 表計算ソフトはあなたの実験結果をグラフ化したり、 また他の作図プログラムのために数値データを整えたりすることもできます。 実験結果をグラフ化することは、種々のパラメータ間の定量的な関係を 把握するのに極めて重要な要素です。


化学構造式の描画と立体モデリング (川上)

ChemDraw で化学構造式を描く

構造式は化学における世界共通の``言語''であり、 汚い字を書くとなかなか他人に理解してもらえないと同様に、 構造式が雑然と書かれていると優れた研究成果もなかなか人に伝わりません。 今回使用する ChemDraw は、高品質の化学構造式を作図するためのソフトです。 ChemDraw は、広く化学系の研究室で利用されています。

Chem3D で分子モデルを組む

化学を理解する上で重要な概念の一つに、``立体化学''があげられます。 今まで化学者は、紙の上に描かれた構造式に``くさび''や``点線''を書いて、 立体構造を表してきました。 しかし、化学を始めたばかりの人たちにとって、 この構造式から分子の三次元構造を思いめぐらすのはやさしいことではありません。 従来は、分子の立体構造を理解するために、分子模型が利用されてきました。 分子模型は、分子の性質、反応の立体選択性等を理解するための強力な武器となり、 現在でも広く利用されています。 これをコンピュータ上で実現したのが Chem3D です。


文責: 宮本